飯田ゼミの池田博充くんと神保町の書泉グランデ前で会い、池田くんの話を聞かせてもらった。彼が偶々スペイン・ツアーでフライト・キャンセルに巻き込まれてしまい、旅行会社の不誠実な対応が納得できず、私に電話をかけてきたことから、今日のテレビ取材の参考にしようと打ち合わせすることになった。災いを転じて福となすべく、もらった資料についてことの顛末を聞いて、それを素にこの後日本テレビの取材に応えようとしたものである。
それにしても、彼の話を聞いた限りでは、参加したツアーの旅行会社の対応はあまりにも不親切で酷すぎる。彼らの団体はアイスランドの火山爆発による航空機のキャンセルにより、バロセロナで7泊も余計に宿泊する破目になった。延泊のホテル代負担を巡って旅行会社と交渉したが、旅行会社では一切取り合おうとはせず、自然現象によるフライト・キャンセルなので、旅行会社に責任はないと主張するばかりだったらしい。当事者同士、つまり航空会社・フィンエアと旅行者で話し合って欲しいと突き放されてしまったと彼は憤慨していた。
主催旅行会社は、自社商品を購買してくれた顧客に対してもう少し親切に両社の仲を取り持って、旅行者の気持ちを汲んであげる努力を払っても良いのではないかと思う。しびれを切らした池田くんは、同じ団体の仲間とともに航空会社へ直接交渉して、ヘルシンキのフィンエア本社とフィンランド消費者庁の了解を得てホテル延泊代を負担してもらうことに成功した。1人1泊6,000円の賠償で、7日分として84,000円を返してもらったという。一方で、彼が呆れたのは、この交渉の結果勝ち得た成果を、旅行会社が自分たちの手柄のようにほかの参加者に対して、航空会社がホテル代を負担すると連絡したことである。旅行会社が行うべき義務を、顧客である旅行参加者が個別交渉によって得た成果を、今度は旅行会社が我が物顔に利用する神経の図太さである。
その後予習をしながらランチを終えて汐留にある日本テレビの本社ビルで、担当の渡部健太さんの質問に応える形でカメラマンのカメラ回しが続けられた。1時間のインタビューを通して、格安ツアーの問題点をいくつか話したが、話したいことが多くて、やはり時間的には少々足りなかったような気もした。それでも初めてのテレビ番組登場でもあり、何とか取材は終えたが、満足度としてはとても充分ではない。全体のデザインが描けない中で質疑に応えるというのは、つくづく難しいものだと思う。しかも、終ってから画面を見ることが出来るわけではない。すべてをテレビ局に任せることになった。
毎週ウィークデイの朝8時から10時25分まで放送される長時間番組「スッキリ!!」の「特報」の枠の中で、明朝私がしゃべる時間は僅か1分30秒に短縮されて放映されるとのことである。仕上げはどうなっているのか、気にはなる。すべては明日見てからのお楽しみ半分不安半分である。