1196.2010年8月22日(日) 中韓観光客受け入れに注力する日本

 一昨日顔を出したテレビ番組について、友人からいくつか電話とハガキでその評価を知らせてくれた。お世辞もあるから額面通りには受け取れないが、大体好意的な見方だった。会社の知人のひとりの如きは、全小田急OB社員の中で、これだけアカデミックな形で活躍され、実績を残しているのは、将来の文化勲章受賞者の資格充分とジョークも交えて喜んでくれた。それでもそう言っていただけるだけでも嬉しい。

 中国・杭州で開催された日中韓観光担当相会議で、日本の前原国交相は空港や駅などの公共施設でも中国語やハングル表示を増やして中韓観光客の利便をはかり、観光客増加のための具体的な政策を行うと語った。確かに近年中国と韓国から観光客が増加している。先日脱稿した「そこが知りたい 観光・都市・環境」原稿の中でもコメントしたが、あまりにも中韓観光客だけを対象にしたかのような大臣の「彼らが立ち寄りそうな場所で中韓語を出来るだけ表示する」の発言は、どんなケースを想定しているのかはっきり判らない段階では、素直に受け入れられない。大臣の意図がどの程度の場所を意味しているのか判然としないが、駅構内の駅名表示には、すでに日本語と英語が使われている。この2つの言語を削除するわけにはいかないので、このうえに更に1~2の言葉を追加表示するとは、駅の表示スペースが小さいだけに反って分りにくくしてしまい、日本人や英語母国語にしている観光客には不親切になる恐れがある。

 折りも折り今朝の朝日フロント・ページのトップに「旅行会社、中国に参入」と書かれていた。中国が年内にも日本の旅行会社に中国国内で海外旅行業務を行うことを解禁するという。これも中国人の日本への旅行に拍車をかけることになると思う。

 日本政府の観光行政への力の入れ具合は、かつて観光業界への冷遇ぶりを知るだけに、オヨヨという感じである。前掲書にも多少皮肉を込めて、政府の君子豹変ぶりを「変われば変るもの」と書いたばかりである。

 それにしても、経済不況で展望が開けないため、新しい産業を開拓しようという政府の意向に会わせた形で、観光産業は旧産業でありながら新産業として期待されることになった。観光業界はこれまでほとんど政府の援助を受けることなく、不要不急の産業として幾分軽視されてきた。それが、今や「観光産業さまさま」である。

 いつまで国は観光業界に温かいまなざしを注いでいてくれるだろうか。不安無きにしも非ずである。

 今日甲子園球場では夏の全国高校野球大会決勝戦が行われ、沖縄代表の興南高校が神奈川県代表校・東海大相模高校を破り、初めて優勝旗を沖縄に持ち帰った。春のセンバツに続く春夏連覇である。

2010年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com