ついに小沢一郎・前民主党幹事長が決断した。来月行われる民主党代表選挙に出馬することになった。この数日小沢派議員は小沢氏に代表選へ立候補することを要請していた。この間鳩山前首相は、菅首相に対して挙党一致態勢を固める条件として、小沢派の意向を汲むよう説得していたが、首相は小沢派を党内要職に就けることを拒んだことによって仲介は不調に終わり、小沢氏は派内の声に推されて代表選に打って出ることになった。
この舞台回しを務めた鳩山氏の挙動もおかしい。まず、昨日まで現状では菅首相を支えていくと明言していた。調停が不調に終るや、小沢氏を民主党に引き込んだのは自分であり、その小沢氏が立つと決めたら応援するのが大義であると訳の分らない論理で小沢氏を支持すると語った。菅首相を見限って勝ち馬に乗り換えたのである。この人の無節操とブレ具合は天下一品であるが、この場においても見事にブレてくれた。それにしても、首相を辞めた時、最高位を極めて辞めた人間がいつまでも一議員として残り影響力を与えるのは良くないので、次の総選挙には出ないとはっきり語っていた。大義がどうとか言う前に、1国の総理大臣を務めた人としては、あまりにも軽率な言動である。もう少し自分の発言に責任を持つべきではないか。
それぞれの言い分はあろうが、3人の行動は国民にとっては聞き飽きた自己主張に過ぎず、アホらしくて聞いていられない。今政治課題は山積している。特に円高、株価低迷は政府が一日も早く手を打つべき時である。政治ゴッコなんかやっている場合ではない。有識者や国民の声を聞いていると、まだ菅首相は就任3ヶ月しか経っておらず、実績はないが決定的なミスを犯したわけでもなく、株式対策を実行しなければならないのに、一国の総理大臣を内輪もめで替えるような選挙を行うべき場合かと疑問視していた。
取り巻きの発言を聞いてみても小沢氏の政治とカネの問題については、「クロと決まったわけではない」「民主党内より日本がどうなるかという問題」「難局を乗り切るためには小沢さんの政治力しかない」だと。
呆れ果てて二の句がつげない。