1201.2010年8月27日(金) 死刑制度是非の議論は発展するか。

 猛暑日が続き、今年は例年より厳しく昨日までの8月の平均気温は過去最高となっている。国民はみんなくたくたの状態である。そんな中で小沢一郎氏の民主党代表選への立候補宣言が大きく脚光を浴びている。しかし、一部の小沢シンパの賛成を除けば圧倒的に立候補否定論が強い。海外のメディアでも小沢の立候補については、驚きの声が挙がっている。

 さて、本日各テレビ局では、マス・メディアに公開された死刑刑場を一斉に画像で流した。人間ひとりの命を奪う場所の公開画像だけに、観るのはあまり気持ちの良いものではない。今日は東京拘置所の刑場を見せていた。仏壇や仏像も供えられ、語弊があるかも知れないが、絨毯まで敷かれて割合清潔な感じの場所である。

 先日千葉景子法務相が処刑に立会い、死刑論議を進めるためにもマス・メディアを通して公開することが望ましいと見解を述べていたが、裁判員制度が広まっていくにつれて今後どの程度死刑制度に関する議論が深まっていくだろうか。

 識者の意見を聞くと、わが国では死刑制度について75%の国民が賛成している。世界的に死刑廃止の声が高まる中で、わが国ではむしろ反対意見は減少している。宗教観が異なることもあるが、日本には古来、残された遺族が叶わぬなら成り代わって「犯人への敵討ち」を期待する傾向が強いような気がする。こんな意見もあった。仮に死刑廃止と引き換えに、いま俎上にある終身刑(無期懲役には非ず)を採用するなら、極悪な犯人に対して終身食事代、住居費、医療費などを全額負担することになる。物質的には国が補助することになり、恵まれていることになる。罪を犯さずとも働いても生活苦に喘いでいる人に比べて、不公平ではないかというのである。こういう考え方もあるかと考えてしまう。

 一概には言うのは難しいが、個人的には現在の社会では死刑制度が存在するのは、ある程度やむを得ないのではないかと考えている。

 その理由として、

  ①犯罪誘発の抑止力となる。

  ②遺族の気持ちを幾分慰めることが出来る。

  ③犯人に犯した罪を贖ってもらう。

  ④死刑判決のような大きな罪を犯した人間は、本人の希望でなかったにせよ、この世に生存すべきでなかった。

 などを考えている。

 いずれにせよ、死刑制度存廃についてこれから論議が始まり、深まっていくだろう。自分の欲望のためだけに犯した罪は許されないが、貧困が原因で罪を犯したとすれば、これは社会の改革や福祉政策の充実などによって犯罪を減少させることは出来るのではないかと思っている。

2010年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com