1204.2010年8月30日(月) サンデル教授の‘白熱’講義

 ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が来日して、25日東大で約1,000人の学生と一般人を対象に‘白熱’講義を行った。教授は政治哲学が専門で、30年近くハーバード大で講義‘JUSTICE’を行って、それが一般公開され、収録された24回分の講義が全米で放送された。NHKでも今年4月に放送され大きな反響を呼んだ。                                             

 サンデル教授の講義については知らなかったが、テレビ放送を観た高校時代の友人・呉忠士くんが感銘を受けたと知らせてくれたので再放送された場合にはぜひ観てみたいと考えていた。

 25日にNHKニュースで東大の講義風景が断片的に放送され、確かにユニークな討論型式で面白そうな講義だと思った。ところが、呉くんから昨日もらったメールによると教授がアメリカの広島・長崎の原爆投下により数百万もの人命が救われたと原爆投下を正当化している考えに対して、些か憤慨して、そこには「正義とは何か」の哲学的考察がないと教授の考えは受け入れ難いと書かれてあった。

 オバマ大統領が昨年4月プラハで将来的に核廃絶を目指すとのスピーチが公表されて以来、世界には一歩でも核廃絶へ前進する動きは一部にはある。しかし、アメリカ政府は依然として「核なき世界」へ踏み出そうとしない。アメリカ政府要人の中でも今夏の広島原爆記念日の平和祈念式に、65年目にしてやっとルース駐日大使が参列したほどである。だが、長崎には行かなかった。潘基文・国連事務総長が広島、長崎を慰霊に訪れているにも関わらずである。

 偶々今朝の朝日紙全一面に25日のサンデル教授と聴衆とのやり取りが載っていた。残念ながら原爆容認の内容は紹介されていなかったので、どの程度突っ込んだ議論だったのか分からないが、近い内に再放送されるという内容を絶対見逃さないよう注視していたい。

 さて、今朝の日経一面に明後日公示となる民主党代表選挙に関する世論調査の結果が出ていた。菅直人首相と小沢一郎前幹事長とどちらが総理に相応しいかとの問いに対して、菅首相が73-17で圧勝していた。しかし、選挙を実施すれば小沢が首相を圧倒するだろう。ここにも国民と民主党議員の国政を思う気持ちのずれが大きく表れている。こういうずれた感覚の持ち主たちにこのまま政治を任せて大丈夫だろうかと心の底から心配するのだ。

2010年8月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com