まったく酷いものだ。開いた口が塞がらない。民主党代表選のドタバタである。26日に民主党前幹事長・小沢一郎氏が出馬を決意して、先に立候補を表明した菅首相との一騎打ちということになり、民主党内分裂の危機が心配された。菅首相のリーダーシップの欠如と昨年衆院選時に発表したマニフェストの実行をめぐって批判していたのが小沢グループである。大勢の子分の熱い支持に推されるように腰を上げたのが、頭領の小沢一郎である。対決に両派の駆け引きがエスカレートし出したところで、党分裂は何としても避けたいという良識派の議員たちの気持ちを受けて、引退表明しながら、本音はまだ引退したくない鳩山由起夫前首相のでしゃばり根性が、再び両者の仲を取り持つような形になった。昨日の菅・鳩山会談により、鳩山氏は挙党態勢のためもう一度トロイカ方式で推し進めるべく菅・小沢会談をセットした。これでひょっとすると小沢は出馬を取り下げ、党分裂の危機は遠のいたとの空気が流れ出した。
ここまで来ると、例え分裂するにしてもはっきり2人で代表選を行った方がよいとする人、他方で分裂は避けて小沢氏は出馬しない方が良いとする人、それぞれ意見があった。
ところが今夕になって見事などんでん返しである。菅・小沢会談の結果、小沢氏はやはり代表選に立つことになった。何たる見苦しいザマだろうか。丸一日政治家・メディアは浮き足立って何も出来ない。こんな混乱の中で昨日政府・日銀が財政出動によって一時的に円高・株価低下を食い止めたが、市場は見抜いていたかのごとく、今日は呆れ相場で前日比325円安の日経平均8,824円となり、今年度の最安値となった。政府・日銀の金融政策がまったく功を奏さなかったということであり、本来なら恥ずかしい筈である。そのうえに恥の上塗りのような茶番劇を演じている。
民主党員は国家、国民のことをまったく顧みず、自分たちの親分子分の論理で馬鹿騒ぎをやっている。もう勝手にしろという気持ちである。
海外では、今日イラク駐在の米軍戦闘部隊が撤収期限を迎えた。この戦争によって誰も利益を得なかった。これが戦争の馬鹿らしさである。2003年3月20日ウラジオストックの空港で開戦のニュースを知ったが、あれから早くも7年半の月日が経った。米軍は最盛時に17万人を派遣し、その内4,400人が戦死した。ベトナム戦争もそうだったが、イラク戦争も何とも虚しいだけである。