民主党代表選のための公開討論会がテレビで放送された。日中だったので2時間ばかり観ていたが、菅首相、小沢前幹事長とも新味のある内容はなかった。いくら次の首相を決める代表選とはいえ、イマイチ迫力に欠けた。
普段の政治討論会のように慣れた司会者のリードの下にリラックスした雰囲気で行われれば、もう少し本音と持論が聞けたと思うが、NHKを通じた全国放送で壇上に2人だけ座り、司会者がいるのかいないのか、対するメディア席の最前列では数人の記者が質問を繰り返しているという按配では、面白みがなかった。
勇み足を警戒したのか、慎重に発言していたので、国民に訴える目を惹くような政策提案はなかった。
国民が一番気にしていた小沢氏の金の問題について、説明責任を果たしていないとの指摘には検察が時間をかけて徹底的に調査した末に疑いはないと断定されたので、充分責任を果たしたとか、国会や政治倫理審査会で説明せよとの声があるが、それらには強制力はないし、それ以上の検察から不起訴の処分が出ているので、敢えて説明する必要はないと思うと応えたのは、道義的にも問題があるし、国民の常識とはかけ離れていると思う。
菅首相の話を聞いていると、あまり政策立案や政策実行が得意ではないということが透けて見えた。さあ、14日の投票で結果はどう出るだろうか。
今日9月2日は日本がミズーリー号艦上で降伏文書に調印した日である。ロシアでは第2次大戦終戦記念日としてウラジオストックで盛大な式典を行い、内外へ向けて終戦と北方四島の戦果をPRした。
やはりそうかという感じである。ロシアが先日敢えて大戦記念日を決めた狙いは、北方4島を日本はおろか世界各国に大戦の戦利品として認めさせようとの思惑が働いていると思う。日本としては8月15日に無条件降伏したので、この日をもって終戦であり、この時点で北方4島は当時のソ連に奪われていなかった。日ソ中立条約を破って参戦し、北方4島を占領したロシアの言い分はまったく筋が通らない。しかし、日本外交はこれまでロシアの主張に対して何の抗弁もしていない。言われっぱなしなのである。一度でも真正面から正論をぶつけてみたらどうだ。現状はロシアの居住権による居座りのようなものだ。代表選なんかで時間を無駄にするなら、少しはこういう骨のある外交問題解決のために動こうとする気骨のある議員はいないものだろうか。これではいつまで経っても、ロシアに足元を見られて返還ムードなんか出てくるわけがない。