1220.2010年9月15日(水) 菅首相のお手並みを拝見したい。

 昨日の民主党代表選の結果について、昨夜来メディアを通じていろいろな報道がなされている。挙党体制は出来るのか。脱小沢は可能か。政府・党人事はどうなるのか。予想以上の大差をつけて菅首相が小沢氏を圧倒しただけに、首相も今後の政局運営に自信を持って臨めるのではないかと思いがちだが、そうは問屋が卸さないようだ。目の前に参議院のねじれがあり、それ以上にこれだけ党内を2分して真っ向から闘ったので、感情的なしこりや遺恨がそのまま残されたのではないかとの懸念がある。

 そのうえ、投票結果にある党員・サポーター票のポイントというのが、獲得票にある数字をかけたポイントだと思っていた。ところが、アメリカ大統領選挙と同じように選挙区で1票でも多く相手票を上回れば、勝者は全ポイント獲得となり敗者は0ポイントになる。昨日の「菅:249=小沢:51」という獲得ポイントでも、実際の獲得数をそのままポイントに換算すると、菅の60%獲得から「菅:180=小沢:120」となる。

 この結果トータルでは、「菅:652=小沢:560」となり、公式発表の「菅:721=小沢:491」とは大分印象が異なる。国民感覚と国会議員の感覚が際立って差があったとも言えない点もある。いずれにせよ、3部門それぞれで小沢氏は敗れたわけであり、今後小沢氏が自身の処遇に関わらず、敗軍の将として語った「一兵卒としてがんばる」の言葉通り、日本の政治のため、また民主党のためにどれだけ尽力されるのか見守りたいと思う。

 さて、どうもスピード感に欠けていると見られていた財政当局も漸く腰を上げ、今日政府・日銀が円売り・ドル買いの市場介入に踏み切った。昨日1$=82円台まで円高が進んだが、きょうは一気に1$=85円台の円安にシフトした。これを好感して東京株式市場では日経平均株価が全面高となり、前日比217円高で、約1ヶ月ぶりに9,500円台を回復した。

 経済に暗いとされる菅首相であるが、積極果敢に政策を進めると言った手前、早速打った手が功を奏した。とりあえず一段落と言えるかも知れないが、経済そのものが回復したわけではない。これからも可及的に積極策を推進して欲しいものである。

 これが反イスラムの動きかどうか分らないが、フランスは女性がイスラム女性が愛用する「ブルカ」を公共の場で着用することを禁止する法案を可決した。ただ、個人の自由を尊重する立場から違憲の疑いもあり、憲法評議会が違憲判断を下した場合はその限りではない。しかし、来年春からフランス国内ではブルカを被った女性を見ることは出来なくなるかも知れない。

 確かに個人の自由とは言え、あまりにもフランスの文化とかけ離れている。いかに自由を尊重するフランス人とはいっても彼らにとって異様な衣装は受け付けられなかったのではないだろうか。同じようにブルカ問題に似たイスラム紛争は、今ヨーロッパ各地で起きている。スイスではイスラム建築のモスクの建設が問題になっている。ドイツでもトルコ人を排斥する動きがある。最近ではニューヨークのグラウンド・ゼロ近くにモスク建設計画が騒ぎの発端となり、コーラン焼却が問題視された。

 日本ではこういった民族問題はほとんど起こらない。それが、日本人を民族問題に鈍感にさせている。過去において部落民問題や、在日朝鮮人問題を中途半端なまま解決したと思ったことが、未だに日本人をこの種の問題をじっくり考えさせる習慣から遠ざけている。


2010年9月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com