昨日沖縄地検が下した中国人船長の釈放について、懸念していたように各界から批判的な意見が多数浴びせられている。海外のメディアでも日本の弱腰を指摘する意見が多い。アメリカでは「他のアジア諸国とも同様の係争を続ける中国をつけあがらせる危険性を高めた」とし、韓国では「日本の降伏宣言で幕を下ろした」「中国・無差別報復、日本事実上の白旗」と手厳しい。日本と同じように中国と領土問題を抱えているベトナム、フィリッピン、マレーシアなどでも同情する声もある反面、首を傾げる声があがっている。中国では外交の勝利と喜び、あまつさえ日本に対して謝罪と賠償を要求すると相も変わらず鼻息が荒い。わが国では船長の釈放について学者や専門家が疑問視する一方で、野党からはともかく民主党内はひっそりして賛否の意見が表に出てこない。みんな世論が怖くて自らの意見を言うことも出来ないのだ。なんてだらしない国会議員だ。結局民主党議員には、内輪もめになると声高な意見が発せられる反面、不得手な外交問題になるとしぼんで何ひとつ持論が出てこないのはどういうわけだろうか。
今の政治家の動きを見ていても勉強をして、実地検分をして自分の意見や信念をしっかり固めている腰の座った政治家らしい政治家は極めて少ない。こういう人たちにわれわれの将来を託して本当に大丈夫なのかと心配でならない。
国連総会における傲慢な温家宝首相のスピーチや日本に対して見くびったような態度を始めとして、尊大な中国の嫌がらせと、日本側の関係者の稚拙な対応は、見ているだけで不愉快になり不満が募ってくる。
しかし、われわれ国民はどうすることもできない。癪に障るが政治家を頼りに出来ないのだから、しばらく放っておくより仕様がない。だが、今回の一連の経緯を見ていて、中国の大国意識と中国人の「われすべて正しい」式の傲岸不遜なパフォーマンスには、改めて中国人の人間性と品位に疑問を抱いた。
さて、近年のNHK朝ドラの中で比較的評判の良い放映中の「ゲゲゲの女房」が、今日で終った。大体観ていたが、最近の同種のドラマの中では愉しく観ることが出来た。昨日漫画家水木しげると原作者である妻布枝さんがNHKスタジオ・パークへ出演されて個性的なトークを繰り返していた。最後にアナウンサーが水木しげるに対して、現代の若者に伝える言葉を伺ったところ「とにかく若者は働くことだ。文句を言わずに働くことが重要だ」との発言にはつい喝采した。短い言葉の中にエッセンスが詰まっている。やはり戦地で苦労されてきた体験から自然に生まれた言葉である。今の若者に理屈っぽい点があることを見抜いた至言だと思う。まさに同感である。