1242.2010年10月7日(木) 根岸英一先輩にノーベル化学賞

 昨日に続いてノーベル賞に関わる嬉しいニュースがあった。ノーベル化学賞を受賞した2人の科学者のうち、アメリカ在住の根岸英一さんが何と母校・湘南高校の先輩であることを今日の夕刊とテレビ・ニュースで知った。早速卒業生名簿で調べてみると根岸さんは昭和28年卒業だから、私の4年先輩に当たるので在学中は残念ながら接点がなかった。ストレートで東大理一へ進んた。同級生の話しでは在学中は学年でいつも1~2番の成績だったそうだから、相当優秀だったことは想像がつく。

 母校はかつて夏の甲子園で全国優勝し、サッカーでも全国優勝して文武両道校と喧伝され、しばしばマス・メディアにも登場した。一時は東大へ毎年80名前後も進学して進学名門校としても名を馳せたが、その後学校群制度導入により優秀な生徒が私立校へ進学して、神奈川県内公立校としての地盤沈下が始まった。かつては男子生徒が圧倒的に多く、私の同期生は生徒数401人のうち、女子は僅か26人しかいなかった。それが、今ではむしろ女子の数が男子を上回るようになった。激しいスポーツが弱くなったのはその影響もあると思う。

 石原慎太郎先輩らも一時母校に質実剛健の気風が薄れるのを懸念して、大分前に学校群制度の廃止と学区の拡大を働きかけたように仄聞した。まさかその影響でもあるまいが、少しは以前の校風に近づいてきたようだ。だが、どうしても受験戦争の影響が強く名門私立校へ進学する傾向は止まず、根本的な解決にはなっていない。

 それでも近年は一時のどん底に比べれば、少しは往年の伝統校らしさが戻ってきたようだ。先日韓国テレビ局のKBSが母校を訪れ取材して、日本の文武両道のモデル校として韓国国内で放映されたようだから、海外でもその名を少しは知られるようになったかも知れない。

 幸いラグビー部はわれわれの時代より遥かに力をつけ、かつてのように弱小チームではなくなった。久しぶりに慶応でレギュラー・ポジションを獲得した栗原大介くんのような逸材も現れてきた。

 根岸先輩は最近の若者に対して素晴らしいことを言ってくれている。彼らへ贈る言葉として「若いうちに単なる観光ではなく、ひとりで海外へどんどん出て外から日本を見てほしい」と正にわが意を得たりの発信をされている。私自身実際そのように感じているし、若い時にひとりで海外を歩き、それが在職中の仕事でも、現在の著述業という仕事にもかなり役立っていると考えている。海外をひとりで歩いて随分多くのことを学んだ。根岸先輩は若い時代にアメリカで学び、アメリカで研究生活を送ってこられたようだが、単に象牙の塔に篭っているようなことはなく、異文化社会をみてその息吹を実感しておられるのだと思う。素晴らしいことを、またわれわれにとっても刺激的なことを発信してくれた。

 折りも折り例年開催の東京湘南有志会が、来月26日に先輩の森ビル社長・森稔氏がオーナーの六本木のアークヒルズクラブで開催される。きっと盛り上がることだろう。楽しみにしたい。

 それにしても先輩がノーベル賞を受賞されるとは、何とも誇らしく、嬉しい気分である。

2010年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com