飯田ゼミの遠藤靖子さんから翻訳に携わったNHKの取材番組「カナダ大自然とともに生きる父と娘の苦闘」が今朝放映されるので、観てほしいと昨日メールをもらった。
今日から29日まで名古屋で国連地球生きもの会議(COP10)が開かれている。NHKはそのほかにも今日朝から7時間ほど生物多様性の保護に関する番組を放映していた。前記番組は日系カナダ人、デビッド・スズキ博士一家の環境保護への取り組みを取り扱ったものだ。父親のデビッドは日系三世で33歳にしてブリティッシュ・コロンビア大学教授になった環境問題の専門家で、長い間テレビ・キャスターとして環境保護を訴えていたカナダでは著名な科学者である。娘のセヴァンは12歳でリオの国連国際環境会議でスピーチを行い注目を集めた。今では父子ともに地元で地球環境保護に取り組んでいる。見終わってから短い感想を遠藤さんへ送信したが、こういう大きな問題の取り組みは個人では難しいと思う。国を挙げて、国際社会を挙げて取り組まなくてはとても実現は難しい。どうしてもただで手に入る自然資源は、私的に利用しようとする人が出てくるからである。そこで奪い合う人同士で争いが起きる。同じ国内においてもそうだから、国際間では各国の利害が絡み合って規制することは一層難しい。COP10開催前夜の昨晩も、各国の虚々実々の駆け引きが行われ、大筋の合意は出来た。一歩前進であるが、具体案になるとそう簡単にはいかない。閉会までに結論が出るだろうか。
先日は為替協調のためにG7が開かれた。ここでも方向は決まるが、具体的な中身は決まらない。今日はベトナムのハノイでASEAN国防相会議が開かれている。日中防衛相対談が行われたが、最近の刺々しい両国の関係を象徴するように、重要な課題は話し合われなかった。日米会談は北沢防衛相とゲーツ米国防長官との間で行われた。この中で①おもいやり予算の増額、②普天間基地移設、③武器輸出3原則の見直し、について話し合われた。事前にアメリカ側から尖閣諸島を日米安保の枠組みの中で考えるとの回答を得たことに力を得た日本が応じようとしている。だが、3つともいずれも日本国内ではすんなりとはいくまい。
今やひとつの国の努力だけではもうどうにもならなくなっている。ともに協力して相手に立ち向かうというのが、国際問題の話し合いのベースになっている。ニュアンスは異なるが、地球環境保全についても、1国だけの努力では最早どうにもならない。
難しい時代になったものである。そうなると自我を主張して、いつも対立する中国の存在は厄介である。11月には横浜でAPECも開催される。自分のことばかり考えているようでは、いつまで経っても問題は解決しない。その点で日本の政治家をあまり当てに出来ないのが、何とも情けない。国内問題だけに熱心で、国の外交については哲学がなく、協調性の欠如が見られ、その貧困な外交能力には、国の将来を考えると心配である。
さて、今日は体育の日である。いつも通り駒沢オリンピック公園へウォーキングしたら、スポーツ博覧会というのをやっていた。