3187.2016年2月3日(水) 非凡な指導者像、エディ・ジョーンズHC

 また嫌な事件が起きた。次元の低い話であるが、昨深夜元プロ野球選手の清原和博が覚醒剤取締法違反の疑いで警視庁に逮捕、連行された。流石に有名人らしく、今日は朝からどのテレビ局でもこの話題で持ちっきりである。清原選手と言えば、高校時代からその高校生離れした打撃で甲子園に5度出場し13本のホームランを打ち、2度も全国優勝して大活躍した逸材だった。プロ入団早々新人ながら本塁打王を獲得するなど大活躍し、西武から巨人、そしてオリックスで引退するまでファンを魅了していた。それが引退後は、あまり芳しくない噂ばかり流れ、麻薬をやっているのではないかと疑われ、警察も行動を監視していたところ、昨晩の強制捜査により麻薬を使用していたとみられる注射器や薬が見つかり、御用となった。

 一世を風靡した選手だっただけに画像から観る連行シーンには寂しいものがある。あれだけの大選手が一歩道を踏み間違えるとあらぬ方向へ行ってしまう。家族とも別れ、親しい友人にも見放された果ての姿は一層哀れである。刑期を終えてもその後の人生をどうやって生きていくのだろうか。他人事ながら気になる。

 さて、今日朝日朝刊にラグビー前日本代表チームのヘッド・コーチ、エディ・ジョーンズ氏がインタビューに応えている。エディは現在ラグビーの本場、イングランド代表チームのヘッド・コーチである。実績も素晴らしいが、理論、戦術、指導法などにおいて傑出したものを持っているように思っている。エディは選手たちに自ら自立性を持ち自己主張するよう訴えた。練習では安住している環境をぶち壊し、極限まで追い込むことを要求し、そのハード・トレーニングには音を上げる選手が多かった。しかし、エディは妥協せず、ハード・トレーニングを課し、選手が自分自身で考えることを強く求めた。結果的に昨年のワールドカップで好成績を上げることが出来た。

 エディが他の普通の監督と違うのは、ラグビーの世界では共通言語は英語であるとし、その英語でレフェリーにも交渉することを求めた。そのために選手らにも英語が分かるようになることを強く要求した。

 特殊なルートでしか購入できない、よく編集されたDVD「『ラグビー・ワールドカップ2015 日本代表の軌跡』~歴史を変えたJAPAN WAY~」を最近二男に勧められて買ったが、この中でエディが試合前の記者会見でレフェリーに、注文を付けている場面が紹介されている。スクラムを日本チームは低く組むので、背の高い南ア選手に合せて高いスクラムを組むような笛を吹かないようレフェリーに堂々と要求している。この辺りの駆け引きはこれまでの日本チームにはないものだ。この結果日本が望む低いスクラム態勢について当日お咎めはなかった。このくらいやって初めて五分に近い戦いが出来る。

 元々得難い指導者だったエディだが、改めてインタビューに応えた要旨にヘッドコーチとしての非凡さが窺える。中々日本人の中には見られない指導者像である。

 今夕は日比谷公園内の松本楼で開かれた日本旅行作家協会新年会に久しぶりに出席した。下重暁子会長と会長の話題作「家族という病」について話した。60万部も販売されたという。3月には続編が出版されるとの話だったが、会長の考える「家族」について必ずしも全面的に同意するわけではない。むしろ、直言は出来ないが、反対の考えの方が強い。まあ続編が出版されたら読んでみたいとは思っている。

2016年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com