1300.2010年12月4日(土) 東北新幹線全線開通

 3年半に亘りこのブログを書いてきたが、今日連続1,300回というひとつの節目を迎えた。毎日原稿用紙3枚分程度を書き続けることは、傍から見れば大変なように見えるかも知れないが、自分自身としてはそれほどタフだと思ったことはない。書く材料は目の前にいくらでもあるし、的外れだろうと何であろうと、今のところ幸いにも書きたいという意欲と好奇心が衰えないので、しばらくはこのまま書いていこうと考えている。お陰で友人たちにも結構読んでもらっているようなので、彼らに対する近況と意思伝達にもなっている。あまり古い記録では参考にもならないと思うが、今年書いたブログは来年辺り小冊子にでもまとめて、友人たちに配ろうかとも考えている。

 さて、今日JR東北新幹線が八戸から新青森まで延伸開通して、東京駅から最終目的地までつながり念願成就となった。明治24年の開通時の所要26時間に比べると、120年経って時間的に僅か3時間20分と大幅にスピード・アップされたが、よく考えてみると巨額の投資をして新幹線網を整備しても、負の遺産というべきか、その一方で取り残されるものも沢山ある。

 東海道新幹線が初めて開通したのは、東京オリンピックが開催された昭和39年だが、あの頃はまだ高度成長期の真っ只中にあったので、更に経済成長に拍車をかけるためのステップとして新幹線は大いに利用され、持て囃されたのはある面で頷ける。だが、今や高速道路網も発達、整備され、新幹線が必要と思われる主要幹線道には鉄道網が整備され、ある程度新幹線需要が国内の至るところにまで行き渡った現在、果たして小さな地方都市にまで新たに新幹線を敷設する必要があるだろうか疑問に感じることもある。実際東北新幹線の「いわて沼宮内」駅の乗降者数は、1日僅かに117人で全国の新幹線駅の中で最も少ないという。

 メジャーな鉄道網が栄える一方で、並行在来線が苦しい経営を余儀なくされ、地方鉄道もどんどん寂れて行く。それらはほとんどが第3セクター方式による経営に移行するが、まもなく多額の赤字を背負わされる自治体が悲鳴を上げるのは目に見えている。結局廃線の憂き目を見ることになるのではないか。

 新幹線開業でJRから分離された在来線で、苦境に追い込まれているメジャーな鉄道に、①IGRいわて銀河鉄道(盛岡市)、②しなの鉄道(上田市)、③肥薩おれんじ鉄道(八代市)などがあり、昨年までの累積赤字がそれぞれ3億1千万、1億9千万、8億7千万円に達している。地方の財政が厳しい中で、この赤字補填は辛い出費だろう。このまま行けば当然廃止の運命にぶち当たることになろう。そう思うと日の当たる一面ばかりでなく、その皺寄せを受ける陰の部分があることを忘れてはなるまい。

 今日の東北新幹線の乗車券は発売と同時に、往路と復路ともに30秒、45秒であっという間に売り切れ、大万歳だったそうだ。しかし、落とし穴もあった。想定以上の強風のため一時運転を休止して全路線に大幅な遅れが出たようである。事業のプラス面には陰のマイナス面と、プラスの中にも機械だけでは解決出来ない問題もある。中々うまく行かないものだ。

2010年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com