1314.2010年12月18日(土) 防衛大綱決定で中朝の無法を止められるか。

 一昨日政府は税制大綱を、そして昨日防衛大綱を決定した。従来の防衛大綱は、全国に自衛隊部隊を均等配備する「基礎的防衛力」に重点を置いていた。だが、最近の北朝鮮の軍事的不安定要因と、中国の軍事力の近代化や西南諸島における中国軍の動きを念頭に、重点地域にはそれなりの軍事力を配備する「動的防衛力」に力を注ぐ方針に変わることになる。これに対して「仮想敵国」と名指しされたような印象を与える中国政府は予想されたように不快感を表明した。

 ところで、昨夕の新聞には現在の大綱と新大綱の防衛力比較表が示されている。それによれば、財政が厳しい折、全般的に軍備が増強されているわけではないが、海上自衛隊の潜水艦が16隻から22隻へ増強されることと、弾道ミサイル防衛強化が海上防衛に注力することを示すエビデンスか。

 しかし、よく考えてみると軍事力などは、国家にとって機密事項であると思うが、すべて丸裸なのである。わが国はそれ以前に自衛隊が憲法違反との長沼ナイキ1審判決がある。その後国の控訴により2審で覆り、違憲ではないとされたが、未だに自衛隊の存在自体は違憲・合憲の境界線上にある。そんな事情からであろうか、防衛省は情報公開に前向きで自衛隊に関する情報は誰でも容易に入手できる。インターネットで調べれば、いとも簡単に防衛省のHPにアクセスし、相当な情報が手に入る。

 新大綱では弾道ミサイルの内、イージスシステム搭載護衛艦が4隻から6隻に増え、地対空誘導弾部隊の高射群が3個群から6個群に増強されることが大きな変化である。ここまで一般に告知されると当然中国軍などはそれに対応した防備体制をとるのではないか。

 こんなシステムで自衛隊による国の安全は保たれるのかとの疑問なしとしないが、いずれにせよ新大綱で防衛体制は変わることになる。

 折りも折り、今日黄海の韓国の排他的経済水域内で違法操業していた中国漁船団を取り締まろうとした韓国警備艇に対して、中国人漁船員が暴れ出し一隻は転覆、沈没して死者が出た。韓国警備艇に乗船していた海洋警察庁職員にも負傷者が出た。その画像を見てみると9月に尖閣諸島で海上保安庁巡視船に体当たりした中国漁船の姿がダブって見えた。いずれも中国漁船員の暴力的な抵抗がことを大きくしていることははっきりしている。2つのビデオを日韓両国がお互いに照合し、検証して中国漁船員の共通した暴力行為と中国の違法性を中国へ訴え、違法行為を取り締まるよう抗議してみてはどうだろうか。いずれにせよ、北朝鮮も無法の限りを尽くしているが、中国だって大国としてはあまりにも大人気ない。

2010年12月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com