箱根駅伝はスタート後最初の6区山下りで早稲田が連覇中の東洋大を追い抜き、そのまま大手町のゴールへ飛び込み、早稲田が18年ぶりの優勝を飾った。早稲田ファンにとってはメデタシメデタシであろう。
大会前優勝候補に挙げられていた各大学の出走メンバーを見てみると、彼らの出身校には押しなべて高校陸上界の名門校がずらっと並んでいる。どうやらここには駅伝人気で名を高めようとの大学、高校の嫌らしい思惑が感じられてならない。どうしようと大学の勝手だが、それにしても際立って目立つ長野県の私立佐久長聖高校出の選手の活躍ぶりには目を見張る。他にはケニア出身選手の活躍もあるが、それは今に始まったことではない。
駅伝とは関係ないが、8区の湘南海岸を走行しながら実況中継していた日本テレビのアナが、ノーベル化学賞受賞者・根岸英一さんはこの近くの藤沢市鵠沼にある湘南高校で学んだというコメントを述べてくれたのは、やはり後輩としては嬉しい。かつての旧コース・国道1号線を走っていたら、「湘南高校前」の交差点を通過するので、もう少しアピール度が高かったのにと考えながらひとしきり昔を懐かしむ。
さて、今年はわが国の政治にとって正念場となろう。外交では昨年ギクシャクした日中問題、北方領土問題、沖縄基地移設問題、ひびが入り出した日米同盟等々、数多くの課題を抱え、財政では歳入不足に伴う消費税値上げ問題が大きくクローズアップされている。
過去において大平政権の一般消費税、中曽根政権の売上税、竹下政権が実現した消費税、細川政権の国民福祉税、橋本政権の消費税値上げ、等はいずれも国民から総すかんを喰い、選挙で惨敗した。しかし、それらはいずれも国民への充分な説明をせず、唐突に言い出したからである。この際昨年から言い出されている消費税値上げ問題を国民に納得出来る説明をしたうえで、真剣に論議してはどうか。そしてそれが国家の財政上必要となれば値上げもやむを得ないとの結論に至るのではないか。実際そういう空気がかなり充満している。
今日も菅首相が総理官邸で新年会を行えば、一方の小沢一郎氏は例年通り自宅で子飼いの同志を集めて派手な新年会を開いて敵対関係を露骨に示した。これをメディアが小沢派の方が参会者の数は多かったなどと面白おかしく報道するので、政治本来の動向はさっぱり影が薄い。
どうも政治家たちは、目のつけどころを間違え、選挙に不利だとの利己的な判断で消費税値上げから逃げ、奇妙な対立関係ばかり煽っている。しらけるのは国民である。
党内の内部紛争はともかく、今年は民主党政権も腰を据えて、消費税問題から逃げずに堂々と真正面から議論して早めに結論を導き出してもらいたい。