1340.2011年1月13日(木) 政治は行わず、何でもありの民主党

 何が何だかわけが分らず混沌としてきた政界だが、民主党内の対立は今日の民主党大会でも露骨に表れた。参議院で問責決議された仙石官房長官と馬淵国交相が辞めざるを得なくなり、明日内閣改造を行う。それに先立ち官房長官の後任には、枝野幹事長代理が就任する模様である。

 驚いたのは、現時点ではまだ決定してはいないものの、昨年4月自民党を離党して新党「立ち上がれ日本」を結成し、平沼赳夫氏とともに党の共同代表を務めていた与謝野馨・元財務相が離党して政権入りすると囁かれていることである。もしこれが事実なら、与謝野氏は一体何を政治家の理念と考えているのだろうか。かつて自民党の中でも政策通で良識派として知られ、私も期待していたひとりだったが、昨年末の新党と民主党との提携交渉が不調に至った折の立ち回りなどを見ていると不器用な人だなとは思っていた。

 しかし、それにしても自分が創った党を、理念と実務の考え方が同志と異なるからといとも簡単に離党して政権へ参加しようというのだから、あまりにも身勝手で節操がなさ過ぎるのではないだろうか。こういう無責任な人が国の政治を動かすとしたら、国が真っ直ぐ前へ進むはずがないではないか。

 ところで民主党はこの期に及んで一昨年総選挙で国民に約束したマニフェストを見直すと言い出した。元々無理な政策を掲げていたので、見直すのは結構だが、財源が足りないのに見映えの良い政策ばかり実施しようと欲張るからである。その一方で財源を生み出すはずの経費節減がまったく当て外れとなった。当てのない財源に膨らむ支出という不安視されていた通りの結果となり、財政破綻の典型となった。その結果ほとんど何も出来なくなってしまった。

 因みに手元にある一昨年総選挙時の「政権交代」と称する民主党のマニフェストを見てみると、無駄使いをなくす政策として、①天下りの斡旋禁止、②官製談合と随契の一掃、③国家公務員の総人件費2割削減、④国が地方に使い途を指定する「ひもつき補助金」廃止、⑤企業団体による献金、パーティ券購入禁止、⑥国会議員の世襲禁止、⑦衆議院比例代表制定数80人削減、を訴えている。これで政権交代を成し遂げたわけである。にも関わらず、ほとんど実行されていないではないか。しかも本気になって検討しようとの様子も見られない。そこへ見直しだという。ふざけるなと言いたい。もう少しやってみて難しいので一部軌道修正するならまだしも、とてもすべて実行出来ないからご破算というのではまったく話が違うのではないか。

 衆議院議員を削減するなんていう話は、声を大にしてほざいていたが、自分たちの身を削るとなると党内に強い抵抗もあって「無期限先送り」「忘れたころに中止」となりそうだ。まったく政治家なんて落ち目になると、誤魔化せるものなら何でもやるものだと呆れるばかりだ。

2011年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com