1363.2011年2月5日(土) ビルマ次期大統領にティン・セイン首相

 ビルマの次期大統領に3人の候補者の中からティン・セイン首相が選出された。国際社会からの批判をかわすために建前上民政のポーズをとったが、所詮はまやかしである。国家平和発展評議会のタン・シュエ議長はいかなるポジションに就任するのか、今のところ態度を明らかにしていないが、最大の実力者であるので、影武者としてその存在は些か気になるところである。ティン・セイン首相を含め、2人の副大統領予定者はいずれも軍部出身で、実質的には相も変わらず軍部が国の政治を牛耳ることになる。危惧されていたことではあるが、これでは従来の軍政と何ら変わらない。下手をするとタン・シュエ闇将軍の下でこの新政権がいつまでも継続する恐れがある。

 この新政権に対してビルマについてあまり知識のない前原外相のコメントは、「新政府がより一層開かれた、民主的なミャンマーに向けて前向きな措置を講じることを期待する」と当たり障りのなあいものである。何の積極的なアピールも伝わってこない。前原外相の稚拙な外交センスと漂流する現在の日本外交を象徴している。外相はエジプト問題でも、「エジプト国民の気持も理解出来るが、現実的な政権移行を考えるべきだ」とそのコメントはまるで具体性を欠いている。こんなことなら発言しない方がよほどましだ。アメリカ政府のメッセージをただ後追いしているだけで、日本政府としての確たる考えや希望、信念、アドバイス、注文などは何も話していない。いつもながらの他人事のような発言である。偽メール事件でお粗末な対応をした、軽率な前原外相の言葉はあまり期待したり、信用しない方がよい。近日モスクワを訪れるようだが、ロシアの国防相が北方領土を訪れたことに対してどんな発言をするのか。

 さて、昨日の「追放の金曜日」で遂にムバラク辞任かと一部に期待されていた向きもあったようだが、どうしてどうしていつまでもその地位に留まっていたい軍人ムバラクは、時間をかけて自らの地位を守ることに汲々として、今後民衆に受け入れられ易い「民主化政策」を小出しに打ち出してくるのではないかと推測されている。

 オバマ大統領がムバラク氏の辞任を迫っていたが、EU首脳の間ではムバラク大統領の辞任を求めるのは出過ぎて傲慢だとの慎重な意見もあり、現時点では先行きが見えない。

 エジプトを訪れていた観光客は去り、新たに訪れる観光客もなく、観光業に頼るエジプト経済に大きな打撃を与えている。このまま政府機関や銀行等が営業を再開出来ないとするなら、観光収入に依存しているエジプト経済に壊滅的な損害を与えかねないと憂慮されている。

 この期に及んでは、個人的な見解だが、ムバラク大統領は自ら身を退いた方が、国がうまく治まるような気がする。

 さて、国内で今最も注目を集めているニュースは、①大相撲八百長事件、②霧島連山・新燃岳火山爆発、③異常な大雪害、④小沢一郎・民主党元代表起訴、などである。中でも、大相撲は1ヶ月後に大阪春場所を控えていることもあり、開催するか否かが注目されている。現状では春場所開催も、新公益法人化も極めて見通しは暗い。世間の目は厳しく政界、メディア、ファンを含めて徹底的な調査と再建への道筋を示すことを望んでいる。

 相撲界の関係者はあまりにも好い気になり過ぎて世間を舐め、私欲がむき出しで為すべきことを為さなかったツケがここで溢れ出てきた感じがする。特別調査委員会の調査結果を待ちたい。

2011年2月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com