1383.2011年2月25日(金) カダフィの暴発が心配だ。

 ニュージーランドでは地震発生後72時間の生存分岐リミットが迫り、懸命の救出作業が続けられている。日本人の不明者はその後1人増え、現在28人の所在が分らない。いつになったら不明者の安否がはっきりするのだろう。天候も不安定で余震も続く中で、国際的支援協調の下に緊急援助隊は昼夜を分かたず、ひたすら1人でも多くの人命を救助しようと捜索に当たっている。

 その一方で北アフリカのリビアでは、人命が軽視され独裁者・カダフィ大佐が正気の沙汰とも思えない、国民を殺戮しようとする行動で世界中から厳しい非難を浴びている。それでも一切聞く耳を持たず、各地から首都へ向かって押し寄せる反政府勢力に対して、徹底的に押さえつけようと残虐な殺戮作戦を開始する構えである。

 このリビアには、正式な名の元首や権力者がいない。憲法もなく、国会もなく、内閣もなく、俗に言う「大統領」や「首相」も当然ながらいない。国家と称しているが、まるで国家の体を成していない。ひたすらカダフィ個人が個人的に「大佐」の呼称を認めさせ、独断的に権力で国家を支配しているだけである。任意団体か個人商店のような国である。カダフィに歯向かうことは死を覚悟せねばならず、今まで強権的に国民を押さえ込んでこられたのは、彼らの恐怖政治への国民の怯えに他ならない。

 テレビから流れてくるニュースから察すると、カダフィは本気で反政府勢力をやっつける気でいるようだ。遠からず相当激しい戦いが首都トリポリ周辺で行われるに違いない。現在首都以外の都市はほぼ反政府勢力に制圧された。彼らは一斉にトリポリに向かっている。カダフィと彼を支持する政権側は外国人傭兵を含めて、首都で反政府勢力を迎え撃つ態勢であり、血で血を洗う戦闘により多くの犠牲者が出ることが懸念される。

 それにしてもカダフィのやり方は、国民を獣扱いである。首都で武器を持たない国民と重装備の政府軍が争った後には、一体何が残るのだろう。こんな内部分裂のような内戦はこれまで聞いたことがない。アメリカを始め先進国もことの重大さに不安を憶えている。とりわけ狂信的なカダフィが「核」使用に踏み切らないか。極めて事態は深刻である。ニュージーランドとは別の点で心配だ。

2011年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com