1390.2011年3月4日(金) 政治家は外国に弱みを見せるな。

 今冬の気候は寒暖の差が激しく、時には想像以上の極端な変化に驚かされる。今年に入って積雪は3回もあった。今日も夕方になって近くの駒沢公園に散歩に出かけたところ、いつもより寒さを感じた。公園まで半分も歩かない内にあまりの寒さに散歩を中止して戻ってきた。服装はいつもと同じなのだが、今日は特別に寒い。わが庭の梅も五分咲きぐらいだが、この分ではまだ暖気はやって来ないだろうか。

 さて、わが国の政治は停滞する一方で一向に前へ進んでいる気配がない。1日に来年度の予算案が衆議院を通過したばかりだが、それもすったもんだのぶっちらけである。

 今日の参議院予算委員会のやり取りを聞いていても、自民党議員が菅首相のリーダーシップの欠如を追及している。例えば16名の衆議院議員の会派離脱、昨日の佐藤夕子議員の民主党離党等々に前原外相の政治資金収支明細書への虚偽記載が加わり、そこへまた外相が国内在住の外国人から資金提供を受けたことが発覚して厳しい追及を受けた。前原外相は率直に謝っていたが、この人はどうも軽率なところがあり、それが以前に偽メール事件で非難されることになり、党代表の職を辞した。その後、大きな失態もないままポスト菅として噂されるようになった。しかし、こう度々軽率なトラブルを抱えるようでは外相も政治家の器としてここまでだと覚悟した方が良い。

 首相の立場がぐらぐらしている時に、外相がこんな調子では政治が前へ進むわけがない。このごたごたに外国政府からも完全に足元を見られ、つけこまれている。北方領土問題のロシアの強気な外交なんかその典型である。

 昨日NHK・BS放送で中国人有識者4人が日中関係について議論している香港放送局の番組を観ていたら、中国人の対日観を話していた。民主党は政権を掌握してから3つの大きなヘマを犯したと不躾に語っていたが、そのヘマとは①小沢一郎・元民主党代表が600人の子分を連れて中国へ大名旅行したこと、②鳩山前首相の沖縄普天間基地移設問題の幼稚な取り扱い、③尖閣諸島中国漁船衝突事件の稚拙な対応、と僭越にしていとも明快に指摘していた。

 更に中国人は欧米から成金と見られているようだが、日本人は政権成金国だとまで決め付け手厳しい。よほど日本人の最近の世論調査に基づく中国人好感度が、かつての60%から最近10%前後に落ち込んだことに対する腹いせのように思える。

 それにしてもわが国は完全に諸外国からその統治能力の欠如が見透かされているのだ。これでは外国に物申しても説得力がないのは当然ではないか。

 近年経済力の向上につれて自信を持った中国は、元々マイペースを押し付け相手から利を引き出すテクニックに長けている。今日中国の2011年国防費予算が発表されたが、対前年12.7%増で軍事費もアメリカに次ぐ大国へ拡大している。アメリカを始め各国から軍事大国ぶりが警戒されている。だが、中国の考え方は相手の指摘をはぐらかすように体をかわす。李肇星・全人代報道官は国防予算が約7兆5千億円になったことについて、GDPのまだ2%だという捉え方なのである。

 とにかくこういう尊大な国に国内の周章狼狽ぶりを見られたうえで、わが国の弱みや急所を突かれたくないものである。

2011年3月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com