今年の気候は寒暖の差が激しいことは、本稿にこれまでにも書いた。今日の天候も春ならぬ寒さで霙交じりだったが、午前中はずっと雪が降り続け今年4度目の銀世界となった。
しかし、気持のうえでお寒いのはむしろ日本の政治と外交である。前原外相が在日外国人から政治献金を受けて参議院予算委員会で糾弾されていたが、ついに昨日になり外務大臣を辞職することを決意した。
それにつけても日本の政治家が外国人から献金を受けることが政治資金規正法で禁じられていることくらい、政治家なら誰しも承知のはずであり、ましてや前原外相は法律を遵守すべき弁護士出身である。知らないはずがない。どうしてこんなイージーな法律違反を犯してしまうのだろうか。それは政治家共通の卑しさと前原氏個人の軽率な性格に起因するものだろう。
前原氏が辞任するニュースは、早くも外交関係で波風の立つロシアから皮肉たっぷりのメッセージとなって伝わってきた。これまでの外相と異なり、比較的強く日本の立場を主張し、就中北方領土問題でロシアを非難した前原外相は、ロシアにとって御しにくい相手であったことは事実である。その点で外交では、言うべきは遠慮せずに言う前原外相の外交姿勢は、対日問題で自国にとって弱みを抱える外国にとっては煙たい存在だった。つまり外交が弱いと看做されていた民主党政権の中では、物申す外交姿勢は前原外相の立場を強化するに役立ったに違いない。外交カードとして菅首相には強力な味方だったと言える。それにしても前原外相自身墓穴を掘るような形で辞任とは、あまりにもお粗末である。
この後前原外相の後釜をどうするのか。今月外交日程が詰まっている。ほかの大臣と外務大臣を同一視することには問題がある。中国の楊潔箎外相が自分の4年間の任期中に、すでに6人の日本の外相に会ったと言ったようだ。さあ楊外相にとって7人目の日本人外務大臣は誰になるのか。
いま行き詰まっている専業主婦の年金救済問題でも、細川厚労相は信頼感のない発言を繰り返している。傍から見ていると菅政権は政治ごっこを楽しんでいるようにしか思えない。どうしたら背筋が通るような政治をやってくれるのだろうか。
少し乱暴だが、この際議員数を思い切って半減するくらい大幅に減少させ、国民が議員の活動を分りやすく監視するシステムを作ったらどうだろうか。議員定数の削減は民主党のマニフェストにも謳われている。本音はともかく党として減らす気はある。議員が少なければ、その行動を監視するのも楽である。国民が議員の一挙手一投足を注視していると思えば、少しは真剣に、真面目に仕事に取り組むだろう。そうでもしなければ仕事で手を抜く悪弊は直らないと思う。今の議員たちは国民と政治を舐めて好い加減な気持で議員職を務めている。まったくどうかしている。