何と稚拙で無様な対応だろうか。専業主婦の年金救済に対する厚生労働大臣と政府の対応である。細川律夫氏の厚労相としての無能ぶりには呆れた。そもそもこの年金救済問題を引き起こした旧社会保険庁の手抜き業務によって生じた年金支給未納問題は、厚労省内で救済策を講じた長妻昭・前厚労相主導の下にやや不公平な救済策を考え出して、今年1月から実施している。それが昨晩ドタバタでこれを取り止めることになり、新たな対応策を3年間の時限立法として実施することを発表した。
それにしても国の重要な政策としてはメチャメチャなのである。しかも、年金救済策は何たることか厚労省内の1課長の通達で行われていたのである。その中身が不公平だということから、ご破産となりやり直すことになった。加えてすでに実施されているこの救済策を、こともあろうに担当大臣である細川大臣は実施後1ヶ月近くも知らなかったという迂闊さなのである。更に細川大臣は引継ぎを受けなかったと長妻前大臣に責任をなすりつけるような発言をしている。昨年3月に救済策を考え出した時、長妻大臣の下で副大臣を務めていたのは誰あろう、現大臣の細川氏なのである。これには恐れ入った。長妻前大臣も不注意だったにせよ、いくら自分が分らず、どう立ち回っていいのかも判断出来ずとも、前任者に責任をなすりつけて責任逃れをしようとは、あまりにも見苦しくお粗末である。
厚労省というのは、国民の健康や生活福祉を考え、国民生活の向上に資することを目的とした役所である。それにも拘わらず、まったく勉強をしようともせずに、都合が悪くなると他人に責任を被せるとは不届き千万である。
こういう何も出来ない人間が国会議員として、大手を振って歩こうとすることが大きな間違いである。大臣はおろか、国民に奉仕どころか国民に負担を強いる人間は、国会議員としても失格である。
さて、昨日反響を呼んだアメリカのメア日本部長の侮蔑的な発言に対して一日明けて非難轟々である。朝日社説は「沖縄への許し難い偏見」として強く非難した。天声人語氏は時を経てもアメリカには差別意識が消えないと指摘している。アメリカ軍の現場の責任者には、どうも異民族を見下す傾向があるようだ。ベトナム戦争中のウェストモーランド司令官の「東洋では人の命は安い」の発言には、ベトナム戦争で投下された爆弾総量が第2次大戦の3倍に当たることで証明されている。人の命の尊さはどこの国の人も同じだと思うが、それがアメリカの軍人には分らないらしい。
明日はそのアメリカ空軍に攻撃された東京大空襲から66年目を迎える。