昨日アメリカのメア日本部長の沖縄県民に対する侮蔑的発言に対して、日本側から大きなブーイングが沸き起ったが、アメリカ政府は即座に公式に謝罪するとともに、メア部長の発言はアメリカ政府の考えとは相容れないとしてメア部長を更迭することを決定した。電光石火の早業である。日米外交交渉(2+2)の開始に当たって素早い対応を見せ、日本の反発を和らげようとの思惑である。流石に外交面で遥かに日本の上を行くアメリカらしい間髪を入れない対応である。これによって沖縄県民は心情的にはまだ納得出来ないにせよ、再発防止をアメリカに約束させて収束へ向かってほしいと思う。
このアメリカのスピーディな対応に引き比べ、今日公になった土肥隆一・民主党衆議院議員がソウルで竹島放棄を認める署名を行った行為の何とまあ思慮に欠ける、売国奴的パフォーマンスであろうか。韓国国内において竹島の韓国主権を認める署名とは、愚かというより、あまりにも幼さ過ぎる。国家、主権、領土に関する国の原理原則に反して、相手国・韓国の主張に賛成するとは、国会議員としての資質に欠けるのではないか。土肥議員は一体どこの国の国会議員なのだろうか。右寄りの「夕刊フジ」1面では、「竹島領有権捨てた菅側近売国奴」とか、「党内外から批判・・・菅はどう処分する!?」と大きな見出しで取り上げられ、当然ながら土肥議員はボロクソである。よりによってこの御仁は、国会へ小沢一郎・元代表を召喚しようとしている政治倫理審査会会長だそうである。しかも菅首相の側近と言われ、首相の信頼も厚い。こういう反愛国、反国家的行動に対して、菅首相を始め政府首脳は、ただ遺憾の意を表するに過ぎない。辞職を求める気持はさらさらないようだ。この土肥議員はことの重大さに鈍感で、これほど大きな問題になるとは思わなかったとか、もう少し署名文書の内容を精査すれば良かったと、まったく鈍感で無神経なのである。
そもそも日本の外交は、これまでの経緯が領土問題には手を触れたがらず、国内外に領土権を主張し、その主権の啓蒙について説明することをして来なかった。それが、土肥議員の「個人的には竹島は日本の領土とは一概に言えないのではないか」というような軽率な発言に表れてくる。北方領土、尖閣諸島、竹島などの日本近海の領土問題については、義務教育の過程でも歴史的根拠と日本人が在住していた実績をきちんと教えるべきだし、北方領土のように終戦後占領略奪された領土については、国際司法裁判所への提訴を含めて国際的にももっと日本の領有権をPRすべきだと思う。
しかし、一番根源的な問題として外交官に政治力がなく、政治家に政治家としての資質がないのでは、国民としては救われない。