1398.2011年3月12日(土) 東日本巨大地震ニュースが日本全土を席捲

 昨夜中も何度か余震があったが、一夜明けて地震と津波の甚大な被害が明らかになった。しかもまだ余震が続いている中でどれほど犠牲者が出たのか、はっきりつかめない。現時点で1,700名は超えると見られている。50ヶ国以上の国際的援助の手もさしのべられている。藩基文・国連事務総長の国連を挙げて支援活動を行うとの声明の後、アメリカのオバマ大統領が同盟国日本に対していかなる支援も行いたいとの好意的な発言に合わせて、早速空母「ロナルド・レーガン」を始めとして艦艇を被災地へ向かわせた。

 それにしてもこれだけの大災害は専門家も予想出来なかった。太平洋岸に沿って一度に起きた地震ではなく、震源は宮城沖と茨城沖に呼応して起きたようだ。かつてないほどの規模の地震で、20世紀以降世界の主な巨大地震として5番目に大きいもので、過去の国内の津波でもその被害の大きさは明治三陸地震、昭和三陸地震に次ぐものである。これも今後被害が増大すれば被害・犠牲において追い抜いてしまうかも知れない。

 映像技術の向上もあって、生々しい被災の状況がリアルに映し出される。それはそれでよく分かって結構だが、自然の牙をこれでもかこれでもかと見せつけられると心寒く少々残酷でもある。

 宮城県名取市と気仙沼市が大分ひどく痛めつけられた印象で気の毒に思えてならない。そこへ「陸前高田ほぼ壊滅状態」とのテロップが流れ、引き続き映像が流されて住宅街が津波に押し流されたシーンはあまりにも惨めで観ていられない。

 実は、3年前の8月に岩手県陸前高田市、大船渡市と住田町の岩手県の3つの自治体が相互協力している「気仙広域連合」の依頼で、陸前高田市「ふれあいセンター」で「職員研修上級過程」の一環として2日間「図解」と「合意術」の講師を務めたことがある。その2日間「大船渡プラザホテル」に泊り、大船渡の港を見学した。講義当日陸前高田市職員の方にホテルから「ふれあいセンター」まで車で送ってもらって大船渡から峠を越えた時、陸前高田は内陸に位置していると錯覚して海岸から離れたところだとの印象があった。田んぼの中に孤立して建つ一際高い「ホテル1000」だけが、その名前とともに鮮やかに記憶に残っている。すでに人手に渡っていたが、地元出身の歌手・千昌夫が羽振りの良い時に建てたホテルだと聞いた。陸前高田はごくありふれた地方都市というイメージだったが、あの街がまったく姿を消してしまうとは、いささかの哀愁とノスタルジーを感じざるを得ない。

 午後3時過ぎになって福島第1原発で爆発が起きたとびっくりするようなニュースが入ってきた。その後8時過ぎに菅首相の記者会見の後で枝野官房長官は原子炉が爆発したのではなく、その入れ物である建屋が内部の圧力により吹っ飛んだものだと説明して一安心という一幕があった。それにしてもこれも想定以上のマグニチュードがこういう事態を引き起こしたようだが、もしそうなら今後原子力発電所建設計画は、大きな課題として新たな安全策を講じることが求められるのではないだろうか。

 今日の新聞はもちろんほとんど全紙を地震報道にスペースを割き、テレビは朝からすべて被災地からの報道で、全マス・メディアが報道番組一色に染まった。新聞のテレビ欄を見てもNHKは全番組を地震特集に組んでいるが、民放は一応予定通り番組を編成していたが、全番組とも地震報道に切り替え一切CMもない。

 その影響を受けて与野党の対立はしばし政治休戦となり、日本国中ニュースは地震一辺倒となった。本来ならば大きく報道されるはずの「石原慎太郎・都知事4選出馬へ」や、「菅首相も外国人から献金」「リビア政治情勢」等はまったく伝えられず、今日の九州新幹線の全線開通式典も、地震の犠牲者を慮って式典を取り止めたという。プロ野球のオープン戦は開幕まですべて中止となり、サッカーJリーグも今週は全試合を中止にした。

 大きく取り上げられなかったニュースの中で、石原知事の4選出馬辺りは評論家諸氏の率直な意見を伺いたかった。このままだと鬼の居ぬ間に自動承認?みたいでどうもすっきりしない。いつもは歯切れの良い石原知事が今度の立候補だけは、出馬宣言までの経緯をみていると素直に納得することが出来ない。この期に及んで出馬するならなぜもっと早く、堂々と出馬宣言出来なかったのだろうか。特に、松沢神奈川県知事が、神奈川県知事を辞めて東京都知事へ鞍替えまでして立候補を決意し、それを石原知事は同志として激励までしていたのではなかったのか。いささか物言いがきつく態度も横柄で、その考え方は必ずしも相容れないが、本音をズバッと物申す点と実行力を評価していた。だが、このパフォーマンスだけは田舎芝居もどきである。誇るべき高校の先輩ではあるが、これから晩節を汚さなければ良いがと願う。

2011年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com