1399.2011年3月13日(日) マグニチュードを9.0に修正

 『日本沈没』 これは昨日の韓国・中央日報の第1面見出しである。東日本巨大地震は、発生以来断続的に余震が続いているが、改めて甚大な被害が明らかになってきた。

 そのトップは昨日俄かにクローズアップされた福島第1原子力発電所1号機の爆発事故の続報である。昨日の枝野官房長官の記者会見では建屋が破損しただけで原子炉格納容器に問題はないと述べていた。しかし、その直後に3人の被爆者が見つかり最低でも190人に被爆の恐れありと報道された。今日になってみると1号機の事故は生易しいものでないことが判明し、加えて新たに3号機も冷却炉が喪失した。異常事態が発生したのである。3号機は冷却不全となり、安全上の制限値を超える放射線量を観測し、緊急事態に当たるとして経済産業省に報告した。生憎今日は夕刊が発行されない日曜日であるが、朝日新聞は臨時に「東日本大震災特別号外」を発行した。トップ記事の見出しは「3号機も冷却不全-敷地境界・放射線量基準上回る」と書かれた。えらいことになったものである。

 今や東日本巨大地震は世界中から注目されることになり、各国から取材班が殺到している。とりわけ1979年にスリーマイル島放射能漏れ事故を引き起こしたアメリカは、その後原発建設計画を停止していたが、ごく最近になって建設を再開したばかりで、福島の爆発事故は今後の原発計画に冷水を浴びせることになりそうである。

 もうひとつ大きな問題は、これだけ情報ネットワークが発達した社会でありながら、仙台市塩浜海岸で波に呑まれた犠牲者の遺体が200体から300体が見つかり、水に浸かっているため収容出来ず、従って身元が判明しないという厳しい情報と、南三陸町で住民1万7千人のうち1万人の安否が不明だというニュースである。どう考えても想像も出来ない。多分予想を遥かに超える速いスピードで地を這うように押し寄せた津波の中に巻き込まれてしまったのではないだろうか。道路は寸断され、衛生携帯も不通となり、停電も当たり前となり、そこへ放射能漏れである。今日の記者会見では菅首相の顔色はまったく冴えず、あまりの甚大な被災状況にショックを受けているように感じた。国民が戦後65年で最大の苦難にぶつかっていると表現した。自衛隊の支援部隊も当初は2万人だったが、一昨日には5万人に増員され、今日10万人に増やされた。テレビの報道も全局が1日中津波関連ニュースを流していた。

 そんな中で夕方になってそれまで伝えられていた今回の地震のマグニチュードが、8.8から9.0に修正された。20世紀以降では1952年のカムチャツカ地震と同じく4番目の激震ぶりである。

 それにしてもまだ余震は収まらず、相変わらず太平洋岸と上信越地方で地震が起きている。日本中が刻々変わる新しい情報と無残な犠牲者の数に振り回され右往左往している。いつになったらこの行き場のない袋小路から抜け出すことが出来るのだろうか。

2011年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com