1401.2011年3月15日(火) 福島第1原発の放射能漏れが心配だ。

 「死亡者3,166人以上、安否不明者16,006人以上、避難者約55万人」

 これは朝日新聞社がまとめた今日午前中までの地震に伴う被災者の数である。

 東日本巨大地震による福島第1原発の原子炉爆発による放射能漏れが懸念される中で、政府と東電の対応がもたもたしている。どうも官邸と経済産業省原子力安全・保安院、さらに東京電力との間の意思疎通がスムーズにいっていない印象を受ける。それについては新聞紙上でもテレビでもあからさまに指摘されているが、その原因のひとつは菅首相の政治主導があまりにも強すぎるせいで、当初予定されていた東電社長の記者会見が首相の会見に取って代わられたことなどに表れている。東電社長に代わって記者会見に臨んだ首相や官房長官は原子力に関する専門家ではないため、予めレクチャーを受けて会見に臨んだが、質疑ではすんなりと答えられないケースが出てくる。

 太谷昭宏氏らジャーナリストは、官房長官が話した「爆発的事象」という言葉を捉えて、「爆発は事故であり事象ではない」と言葉を選んで使用するよう求めたりもしていた。

 爆発の原因とか、放射性物質漏洩防止策など原子炉に関する解説をメディアでやってくれているが、なにせ普段関心を持たない理系の専門知識なので中々分りにくい。

 こんなギスギスする雰囲気の下に、東京電力の分りづらい対応と説明が遅れて行われている。会見に出席した記者からも厳しい質問を浴びせられて立ち往生する場面もあった。そこへ新たな問題として放射能が大量に飛散したようである。原発近くの20~30km圏内の住民に退避を要請し始めた。危険は益々高まる。その解決策については当事者が自分たちにも分らないというような答え方をしている。国民にとって深刻な問題に対して不謹慎極まりない発言であり、軽率な管理、運転をやっていたとは許せることではない。ことが命に関わることである。しかも、放射性物質は日本だけの問題ではなく、近隣諸国へ運ばれてその地で拡散する恐れもあるのではないだろうか。

 テレビ情報番組の中でも、改めてなぜ国が危険な原子力発電を行うようになったのかと疑問に応えていた。それなりの説明をしていたが、中々納得出来ない。新しい国家プロジェクトを進めるに当たって、一番気をつけなければ成らないことは国民に対する安全の担保だろう。それが分っていながら油断して気を抜くところがあったのではないか。

 2002年8月に東電柏崎刈羽原発を見学した際案内してくれた東電社員は原子炉格納容器の前で、この容器は過去におけるスリーマイル島、チェルノブイリの放射能漏洩事件を参考にして五重にバックアップしているので、まず事故は起きないと胸を張って話してくれた。その場では安心していたところ、間もなく同原発で放射能漏洩隠蔽事件が発覚した。絶対ということはあり得ない。その油断が今回の放射能漏れを引き起こした遠因のひとつであるかも知れない。

 2日目に入った計画停電も直前までどの地域が対象となるのか分らず、今日になって知らされる有様である。わが家の地域も第4グループということで午前中待機していたところ、同じグループの目黒区の広報車が中止になったと近くを触れ回っていた。首都圏の鉄道は平常運転の2割から7割が運行されたようだ。

 このようにバタバタして的確な対応の取られない状況の中で、今日日経平均株価はまた大幅に下がった。昨日の終値9,620円から1,015円も下がって8,605円となった。一時最大で1,400円も下がったほどである。これほどの下落は2009年4月以来だというから、よほど日本の株式は見捨てられたに違いない。このまま原発懸念が止まらなければ、明日以降も下げ続けるのではないだろうか。

 今夜10時過ぎにまた突然揺れた。静岡県東部が震源地らしいが、マグニチュード6だそうだ。一連の地震騒動はまだまだ落ち着かないようだ。

 これだけ気が滅入ることが頻発すると、どうしても気持が暗くなる。いつになったらスカッとするだろうか。

2011年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com