大分前から楽しみにしていたノーベル賞受賞者・根岸英一博士の講演会を兼ねたパーティが、六本木・アークヒルズ37階ラウンジで母校湘南高校OBからなる「東京湘南有志会」の主催により開かれた。ここ1週間の地震騒ぎで実施されるかどうか気にかかっていたが、一昨日になって事務局から予定通り開催されると手紙で連絡をもらった。
しかし、計画停電などの影響により交通事情が予測出来ないので、講演開始時間午後6時の2時間前をメドに会場へ来て欲しいとの要望だった。
湘南同期生の大塚武夫くんと4時に渋谷駅で待ち合わせ、大分早く会場へ着いたが、応接室でほかの先輩と雑談しながら時間を過ごした。
実は昨年11月開催の定例有志会に根岸博士ご夫妻が出席されると伺っていたが、ストックホルムでのノーベル賞授賞式直前のタイミングといい、度重なる各種の祝賀会出席といい、ハードスケジュールによる疲労のため結局会場には来られなくなった。
今日改めて有志会の強い希望と、同期生の森稔・森ビル㈱社長ら幹事の方々のお骨折りもあったのだろう、幸いにして講演会が実現した。テーマは専門的なクロス・カップリングに関するもので、門外漢にとってはその内容は少々難しかったが、何となく分ったような気にさせる話しぶりだった。でも本当のところは、元国土庁次官で、理系から文系へ転じた吉居時哉さんが話されていたようによく分らない。
昨年上梓した共著「そこが知りたい 観光・都市・環境」(交通新聞社刊行)の拙稿の最後に、ダライ・ラマ14世の言葉とともに、根岸博士の言葉「若者よ 海外へ出よ!」を引用させていただいたので、博士にその経緯の説明をして、私の外向きの考えにも共感していただいた。その共著と2008年に書き下ろした「停年オヤジの海外武者修行」(早稲田出版刊行)を博士にお贈りした。博士はテレビで拝見するだけでも優しくお人柄の良さそうなところが見られたように、実際奥様ともども偉ぶるようなところがなく、とても気さくな感じの方だった。最近出版された博士のご著書「夢を持ち続けよう!」(共同通信社刊行)にもサインしていただいたし、ノーベル賞記念メダルも持たせてもらい記念写真も撮らせてもらった。
昨年結婚した二男の家内の名前は「すみれ」と呼ぶが、偶然にも博士の奥様が同じ名前で、奥様はほかに平仮名の「すみれ」という名前のお知り合いはおられないと仰って驚かれ、話が弾んで奥様から「若いすみれ」さんによろしくお伝えくださいとのメッセージを承った。
ご夫妻は相変わらずご多忙のようで、2月に日本に来られてから、この先上海、インド、スペインへ寄り、4月21日にアメリカのご自宅へ帰られるというお話だった。
講演会が終ってから別室のパーティ会場でも、参加者全員同窓生ということもあり、先輩、後輩が一緒になってお互い気軽に話し合い、とてもアトホームな雰囲気で、実に有意義で愉しい集まりだった。最後に全員で北原白秋作詞、山田耕筰作曲による母校校歌を声高らかに歌い、根岸博士が益々ご活躍され、2度目のノーベル賞を受賞されることを祈念してお開きとなった。