昨晩根岸英一博士の講演を聞き、博士ご夫妻ともフランクに話し合ってすっかり好い気分になって帰宅した。帰り道自由が丘駅まで一緒だった大塚武夫くんとも今日は良いパーティだったと話して別れた。
それが一転してギョッとなった。折角あれだけ多くの記念写真を撮ったのに、手違いですべての写真を消去してしまったのである。今朝になって慌ててしばしば利用するカメラ店へ電話で尋ねてみたところ、一旦消去したら復元は出来ないと厳しい沙汰があった。もうがっかりである。昨日は講演会の前に博士とロビーの入口で話しながらサインまでいただいている様子を、大塚くんがいろんな角度から撮ってくれ、その出来映えが気に入っていただけに残念である。さらに講演の様子や講演の後に博士が見せてくれたノーベル賞記念メダルを持たせてもらい写真に納まったし、博士とのツーショット、奥様とのツーショット、メダルをアップした写真、加えて一昨年インド旅行した時の200枚を超える写真など記念すべきメモリーをすべてパーにしてしまった。パーティ会場ではラグビー部後輩で元鎌倉市長の竹内謙くんから、先輩を使って申し訳ないけれど一枚撮ってほしいと要望されナイスショットが撮れた。それらがすべてダメになってしまった。撮ってくれた大塚くんにも申し訳ない。早速ご両人にお詫びのメールを送った。即座に元市長から返信があった。「了解しました。大兄にも失敗があることを知り、失敗ばかりの小生にとっては旧人類の同類感を感じる次第です」。
大塚くんからは「大塚問題よりインドの写真が深刻ですね」と反って気を遣ってくれる。
まあわが人生にとって最大の大失態のひとつに入る。カメラ店には、先般のお相撲さんの携帯のメール削除では復活出来たので、写真もうまくすれば復元出来るのではないかと淡い期待をぶつけてみたが、カメラ店によると携帯電話はサーバーに記録が残るが、それがないカメラのピクチャーカードでは無理だと言われてしまった。ちょっと軽率に取り扱ったかも知れない。記念すべき記録をこうして台無しにしてしまった。あ~、こんなヘマをやった自分に腹が立つ。
さて、毎日大々的に報道される地震については、福島第1原発の放射物質漏洩を恐れ、格納容器の冷却化のために外部から特殊車両を使用して注水しているが、安定したとの確定的な効果はまだはっきり表れていない。もしかしたら放射線漏れがあるのではないかと今や疑心暗鬼の各国政府は、自国民の帰国を促した中国や、福島周辺から80㎞圏外への避難を促したアメリカ政府のようにそれぞれ独自の対応をしている。まだまだ心配である。
一方、昨日まで円高に推移していた円が一転して円安になった。一時史上初めて76円台を記録した。なぜこういう日本、及び日本企業の存亡を問われかねない事態にも拘わらず、日本円が買われるのか。かつて学んだアダム・スミスの近代経済学理論と完全に矛盾している。結局以前には考えられなかった世界を股に駆ける投資家などという輩が暗躍して経済原則や経済理論に逆らっているのだ。この傾向に懸念を示した先進各国政府は急遽G7で、ケインズ理論に逆らう円安誘導への協調介入をした。結果的に漸く円安にシフトした。この種の国際的な協調介入は初めてのことである。
今後地震災害からの立ち直りを含めて、日本の経済力を証明する円もそれなりの数字を示してほしいものである。