1406.2011年3月20日(日) 開幕近いプロ野球界の愚

 警察庁が発表した本日現在の東日本巨大地震による犠牲者の数は、死者が8,277名で行方不明者と合わせると2万人を超えるという。とっくに阪神・淡路大震災の被害を上回っている。連日救援と復旧活動が行われている一方で、いま最も気がかりなのは、福島第1原子力発電所の放射物質漏洩の危険である。ここ数日は、自衛隊、警察庁、消防庁の特殊放水車が原子炉へ向けて放水活動を行っている。注水すれば冷却されるとの神話じみた解説に頷いていると、それが案外うまく行っていなくて依然として危険な状態にあると言われる。いつになったら安全な状態にしてくれるのだと聞きたい。避難者が1番知りたいことではないだろうか。

 被災地では燃料、食料、水、医薬品が不足しているうえに、輸送手段が遅れている。避難所では電気も制限され暖房は効かず、被災者は疲れ切っている。それでもイライラが講じてエキサイトしないのが、日本人、というより東北人の我慢強いところだろうか。

 そんな中で、まもなく春本番の野球シーズンがやってくる。23日から開催される選抜高校野球は時節柄一時開催が危ぶまれたが、予定通り開催が決まった。被災地からも若鷲が甲子園に向かった。

 その一方で、プロ野球も開幕を迎える。25日にセ・パ両リーグ・ペナントレースは同時開幕を予定していたが、地震被害を考慮して、特に仙台市に本拠地を持つ東北楽天イーグルスのホームグランド被災も考慮して、4月12日まで開幕を延期することになった。ところがセ・リーグは当初の予定で開催を決定した。それが周囲の顰蹙を買い4日間開催を延期することにした。だが、これでもセとパの開催日に2週間のずれがある。

 諸般の事情を考えると、ここはセ・パともに揃って大幅に開幕を延期すべきではなかったか。セとパのチーム間には交流試合が組まれている。お互いに歩調を合わせないと最後までスケジュール上に支障を来たすのではないか。シーズン終り近くなって日本シリーズの日程調整にも影響が出てくるのではないだろうか。

 選手会もセ・パ同時開催、開幕大幅延期を決議し、コミッショナー、両リーグ会長に対して要望書を提出した。にも関わらず、選手は経営に口を出すなの傲慢な姿勢に抑え込まれた。ここはプロ野球界の最高責任者である元駐米大使の加藤良三コミッショナーが常識的にして、世間が納得する決断を下すべきである。

 しかし、日本プロ野球機構から雇われている弱い立場上経営側に強い態度に出られず、本音が聞かれない。

 さらに日本プロ野球機構が非常識な判断をしたのは、開幕試合の次週には電力を大量に消費するナイトゲームを開催し、全般に電気量消費の少ないデーゲームの開催が少ないことだ。まったく地震被害のことなんか考えていない。常識的には考えられない。流石に経済産業省、文部科学省も、国民一般に計画停電をお願いしている過程で良識的な判断をしてほしいと苦言を呈している。

 これから1波乱も2波乱もあるかも知れないが、こんな社会から理解を得られない反社会的な行動がスポーツの世界で堂々と行われることに当事者が、何の後ろめたさも感じていないことが不思議でならない。新(あたらし)セ会長はヤクルト常務で、経営的判断で引き受けているだけで、プロ野球の発展や、野球ファンのことなんか、まるで考えていないように見える。

 プロ野球界とは何とアホな組織なのだろうか。八百長騒ぎが解決出来ない日本相撲協会と何ら変わらないではないか。これではファンがどんどん離れていくのが目に見えるようだ。

2011年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com