1411.2011年3月25日(金) 原発復旧作業に手抜かりはないか。

 東日本巨大地震発生以来今日で丁度2週間になる。死者もついに1万人を超えた。行方不明者を合わせると2万7千人を越えている。これは警察庁が公表した犠牲者の数で、今後も犠牲者は増加すると予想されている。

 振り返ると過去最悪の津波は1896年の明治三陸地震津波で、死者・行方不明者は2万1959人だったが、今回の犠牲者の数はこれを大幅に上回る約3万人と予想されている。明治以降近代日本になって最も悲惨で過酷な自然災害であることは間違いないと言えよう。毎日毎日復旧作業や避難住民の厳しい生活、更に原発放射線物質漏洩の生々しいニュースを観て被災者の胸の内を考えると気持ちが暗くなり、 どうにも堪らない。

 その中でテレビでは原子力専門家が、毎日危険が遠のいたと安心させたかと思いきや危険が増しただの、素人の気持ちを弄ぶかのように変幻自在の原発関連ニュースを流している。普通の生活情報ではなく、ことは国民の健康に障ることである。被災者の気持ちを慮ってもう少し報道の仕方を工夫してくれないものかと思う。それにどうして頭脳優秀な専門家が何日もかかってあの手この手で放射線物質漏洩を抑え込もうと努めているのに、それが出来ないのか。黙って見ているだけで何も出来ない国民は、乱発気味の情報に振り回されて右往左往するだけである。

 昨日とんでもない情報が走った。福島第1原発内で復旧作業に当たっていた作業員の内3人が被曝したのである。どうも作業に当たった際、作業員がくるぶしまで水に浸かっていたようだ。素足の状態で外気に晒すなど素人でも気がつきそうな常識以前の禁止事項を冒していたのではないか。しかも昨日に限って放射線量を測定し指示する放射線監視員が同行しなかったという。加えて放射線の強さを測定する線量計が警告を発したのに機器の故障だとして気にも留めなかったらしい。まるですべてがザルなのである。最も放射能に神経を尖らせなければならない人たちが、この場に臨んで緊張感がまったくなく、暢気に作業をやっていたようだ。流石に呆れた海江田万里・経済産業大臣は「基本的な作業の落ち度。基本的なミス」と断じている。

 確かに現場でこんなイージーな作業をやっているようでは話にならない。厳しい言い方をすれば、一事が万事この有様では原発事故を抑え込んで国民が安眠出来るようになるのは、まだまだ遠い先のことだと思わざるを得ない。

 福島原発の事故は、放出された放射能の推定量からみて、国際評価尺度で大事故に当たる「レベル6」に相当することが分った。これはスリーマイル島の「レベル5」を超えた。残念ながら過去最悪のチェルノブイリの「レベル7」に次ぐ大事故になったことになる。災害と言いたいところだが、人災の要素も含まれているのではないかと思えてきた。

2011年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com