相変わらず放射性物質の漏洩が懸念され、福島原発周辺地域では住民の退避が行われている。安全のために放射線を浴びる危険から住民を遠ざけたいとの願いである。当初原発から20㎞範囲内は退避とされた。そして20~30㎞内が屋内退避とされた。それが一昨日政府により20~30㎞圏内住民は自主避難を要請された。避難するかどうかは住民自身が判断してほしいというものである。これが悩みの種である。どう判断すべきか。仮に避難しないで放射線を浴びるようなことになっても、政府は一切責任を持たないという責任逃れでもある。だが、これまで屋内退避とされて外出することを制限されていた状況下にあったにも関わらず、放射能の危険はあるが、自主的に自分の責任で外へ出ろと言っているわけである。しかも政府は責任も移動手段も持たないというのだから、少々無責任ではないか。案の定圏内住民はどうしたら良いのか途方に暮れている。これでは移動手段を持たない高齢者や、家畜を飼育していて自宅を離れられない農家の人たちに手を差し伸べることも出来ない。
今回大震災による政府、自治体、原子力保安・安全委員会、東京電力などから発表される情報は、毎日くるくる変わる。放射線に関しては、国民はあまり知識がないので、安全管理は彼らに任せきっている。だからと言ってそれを任せられた本家本元が、腰が据わっていないのでは、どの情報を頼り、どこへ頼ったら良いのか戸惑うばかりである。
昨日福島第1原発2号機内の水に規定値の10,000,000倍(千万倍)を超える放射線物質が含まれていると発表され、近くの海水には通常値の1,850倍のヨウ素134が含まれていると発表された。さあ大変である。それが、今夜になって千万倍は1万倍だったと大きく下方修正された。これだって大変高い数値であるが、いとも簡単に訂正したり、ヨウ素134は数値を間違えていたと訂正発表したり、成すことが軽いのである。前日の放射線を浴びた作業員の杜撰さと似たようなところがあり、この危険な原発に関与している人には失礼かもしれないが、芯が一本欠けているような感じがしてならない。
今日だって放射性物質漏れを封じ込めようとの懸命の作業にも関わらず、一向に明るい情報が伝えられない。新聞もテレビからも先の見えない地震関連情報ばかり聞かされて、相当神経が滅入る。
自主避難で圏内住民は振り回され、水道水で若い母親が悩み、多くの人がテレビの変わりやすい原発数値に惑わされ、国民はイライラが嵩じて夢遊病者のように彷徨い出すのではないかとさえ思えてくる。
いつになったらこの閉塞状況から脱出出来るだろうか。今日も余震があった。
昨日独立行政法人・国民生活センター発行の「月刊国民生活」4月号が送られてきた。拙稿は4頁に亘ってまとめられ掲載されている。中々良い仕上がりだ。早速Jpegしてメル友にメール送信した。あとはメール送信出来ない親しい友人に個別に郵送することになるが、明日以降になる。