牧伸二のウクレレ漫談ではないが、「あ~やんなっちゃった」。このところの余震続きに被災地では恐怖心が抜けない。
福島第1原発から放射性物質の漏洩が止まらない。今日原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、福島原発の事故の深刻度を示す国際評価「国際原子力事象評価尺度(INES)」を「レベル5」から最悪の「レベル7」へ2段階引き上げた。1986年に旧ソ連(現ウクライナ領内)のチェルノブイリ原発事故と同じレベルの深刻な状況に入ったということである。事故発生以来すでに1ヶ月を経過した現在でも東電は放射性物質の流出を止められず、事態収拾のメドはついていない。今後日本国内ばかりでなく、広く海外からも警戒され、すべてが敬遠されるのではないか。
一番心配なのは本当にこの事態を収束出来るのかどうかということである。これについては日本はおろか世界中が固唾を飲んで注視している。
今更言っても始まらないが、現代の科学技術を以ってするなら、製造した物を元へ戻す、つまりゼロベースへ戻すということが出来ないなんてことは考えてもいなかった。事故は起こりうる。過失やミスもある。しかし、それらも根っ子を押さえ込めば必ず元へ戻せると考えていた。現在の混迷の原発騒動を見ていると、肝心要の原点をコントロールし切れていないとの印象を受ける。
更に悪いことには、問題はこの原子力という一般人にはとても分かりにくいアイテムであるがゆえに、一般人の知恵やイマージネーションを採用出来ずに、作業がすべて専門家任せになっていることである。これが時として常識とはずれることがある。チェルノブイリと同じ最悪レベルとなれば、あっと驚く筈である。ところが、チェルノブイリの放射性物質の放出量が520京ベクレルに対して、福島は37~63京ベクレルと数字だけを捉え、人体への健康上の影響は約1/10との認識である。本当にそうだろうか。
なにやら難しいことを言いながら、その専門家が事態を一向に解決出来ず、次から次へと不安を増幅させていることが気になる。この決定を受けて政府がバタバタし出したことも一層不安感を煽っている。今日原発担当大臣に細野豪志・首相補佐官を任命した。ところが、昨日原子力経済被害担当大臣として海江田万里・経産相を兼務担当させたばかりである。どうして一度で済む人事を2日に分けて行うのか。もうドタバタとしか言いようがない。すでに震災発生以来1ヶ月が経過したんだよと言ってやりたい。あまりにもノロノロし過ぎていやしないか。あ~やんなっちゃった。