1433.2011年4月16日(金) 早く大震災復興計画をデザインせよ。

 午前11時過ぎに森内科で診察を待っていた時、ドカンと揺れた。震度5強でM5.9の地震だ。震源地は茨城県鉾田市で東日本大震災の余震ではないという。かなり揺れて東京都内でも千代田区では震度4だった。

 大震災の復興計画は遅まきながら歩み始めたように思える。この混乱した時世においても、政府・民主党と自民党の間には意見の対立と政局がらみの駆け引きがあり、五百旗頭真・復興構想会議議長が提唱した震災復興税案がすんなりと受け入れられるわけではない。政府は「復興に向けて巨額の資金が必要なのは共通認識」として主旨を認めながらも、新税を課することには消極的で、むしろ消費税の増税を検討している。

 財源として自民党は以前から民主党マニフェストの目玉、①子ども手当ての廃止、②高速道路無料化、③農家への戸別補償、④高校無償化の4つの撤回を求め、それらを復興計画の財源に当てるべきだと主張し、消費税値上げには断固反対している。これに対して民主党はマニフェストをそのままにして、①高速道路休日上限1,000円廃止、の他に最大の財源として年金・基礎部分の財源から2.5兆円を流用しようと考えている。年金資金はすでに枯渇しつつあるのが民主党議員には分っている筈である。にも拘わらず現在ある財源から安易に資金を転用しようとしている。どうしてこういう後世にツケを残すような馬鹿なアイディアがぽっと出てくるのか分らない。

 新たに震災復興税とか、消費税のどちらにしろ、復興のための財源として増税がどうして認められようとしないのか。それには反動として、支出の増加で国民の消費意欲が落ちるとか、新しい法律を作ることの煩わしさがあると思うが、震災復興であると国民の理解を得られ易い今なら時限立法などにより、国民の負担となる多少の増税でこの難局を乗り切るより他に有効な術はないと思うが、どうだろうか。

 日経夕刊土曜版に連載中の「文学周遊」に東京・根津地区が取り上げられている。森鴎外著「青年」の舞台で小説は読んだことはないが、鴎外はこの作品を漱石の「三四郎」に触発されて書いたとも、正宗白鳥の「何処へ」(石坂洋次郎の同名書ではない)の影響を受けたとも紹介されている。一瞬まさか鴎外が白鳥に影響されたとは信じられなかった。明治の文豪としての鴎外に比べて、白鳥には私自身軽井沢でアルバイトした時にお話しして、そんなに昔の人というイメージがないからである。実際白鳥は鴎外より17歳も若かった。大学生時代2度の夏休みにアルバイトをしていた旧軽井沢の屋外ミルクホールに何度か白鳥先生が入って来られ、その都度ひと言ふた言言葉を交わしたことがある。それでもその翌年か翌々年に白鳥は83歳でこの世を去った。年齢的、時代的には2大文豪の交流は充分考えられることではあるが、それにしてもまさか鴎外が遥かに若かった白鳥からヒントを得たとはとても考えられないのだが・・・。

 しかし、仮にそうだとすると白鳥はかなり早熟で天才肌だったということが想像できるし、鴎外も受容的な人のように思える。

 いずれ森鴎外著「青年」、そして正宗白鳥著「何処へ」も読んでみようと思う。

2011年4月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com