大震災の被災地で多くのボランティアの活動が光っている。その中で映画の石原軍団と呼ばれるグループが石巻市で行った炊き出しのパフォーマンスが頗る評判がいい。その活動の一部をドキュメント風に紹介していたが、渡哲也、館ひろし、神田正輝ら7人の有名俳優を中心に、スタッフ30人とボランティアらが、冷蔵車、冷凍車を含む車28台で特性の釜、全自動炊飯器、食事1万5千食分を運び、彼ら自身が自らの手で料理して多くの被災者に元気を与えている。彼らの考えと姿勢がいい。しかも、その期間が1週間と長く腰を据えて、風呂にも入らず寝袋で泊りながら心から被災者の気持ちに応えようとする精神は素晴らしいと思う。映画俳優とかタレントと云われる人たちは、とかく派手な一面だけが取り上げられがちで、実際そういう派手なパフォーマンスばかり追う人もいるが、この石原軍団を見ているとむしろ派手な面を捨てて、自分たちも被災者と一緒になって元気を与えようとしている。
15日から昨日21日まで毎日決まって続けられた炊き出し行為に対して、市民から感謝の気持ちが伝えられていたが、それに応える俳優たちのスピーチに心が篭っている感じがした。
特にリーダーの渡哲也は、自分自身が淡路島の出身で、阪神・淡路大震災の折りに初めて炊き出しを行って感謝された経験から、今度は積極的に仲間とともにボランティア活動を起こした。
その渡がお別れの素晴らしい挨拶の中で、被災者に温かく励ましの言葉をかけ、ハーモニカで「故郷」を奏した。それを聞きながら涙を流している老人がいた。その光景は感動ですらあった。
この石原軍団の行為には心を打つ感動的なインパクトがあった。
それに比べて相変わらず政治家たちの行動は遅いし、何をどうやろうとしているのか試行錯誤を通り越してもうメチャクチャである。
今日菅首相が再び被災地・福島を訪れた。被災者にお見舞いの言葉をかけるつもりが、足早に立ち去ろうとした建物の出口で被災者のひとりから呼び止められ、対応の悪さについて詰問される有様である。
また、福島第1原発から20㎞圏内を、災害対策基本法に基づいてこれまでの避難区域から「警戒区域」に指定した。立ち入り禁止となり、犯せば罰金を課せられるという。これは放射線の危険を考えれば、ある程度やむを得ない対応かも知れないが、伝達の方法があまりにも唐突過ぎる。
その他にも、これまで被災者に対する補償について東電が支払い、不足分を国が支払うという考えが支配的だったが、今日になって新たなアイディアが浮上した。電力料金を上げて、その値上げ分から支払うというものである。これは、東電管内だけで対応したのでは東電に負担がかかり過ぎるので、沖縄を除く全国の電力会社が同じように負担して値上げする案である。
ともかく何をやっても考えがひとつにまとまらないのだ。何事にせよ情けないことだが、政治のトップにはリーダーシップがないということだけは間違いない。
今日高校時代のラグビー部の仲間、蓮池雄策くんの奥様から蓮池くんが2月に亡くなったと手紙をいただいた。青春時代をともに燃焼したラグビー仲間の死は辛く、悲しい。高校ラグビー部時代はスタンド・オフでキッカーも務めてくれた。チームの司令塔として活躍してくれ、卒業後は東京商船大学から日本郵船の北米航路の船長として定年を迎え、その後は名古屋港で水先案内人を務めていた。近年は体調を崩して、昨年3月以来入院していたが、力尽きたようだ。心よりご冥福を祈る。 合掌