1451.2011年5月4日(水) ウィキリークスのびっくり箱

  今朝の朝日新聞1面を見てびっくりした。とかくの話題を提供したウィキリークスから入手した日米関係の公電を分析公表したのである。見出しは「米軍グアム移転費水増し」とある。まったく腹が立つ。沖縄の米軍駐在経費は以前からその2/3は日本側負担というのが、公然の秘密とされていた。今回明らかになったことは、米軍が一部移転するグアム島の軍用道路建設費を日本側の66%負担を米側負担の水増しによって、日本側の負担が60%を割る59%に見せるという姑息なやり方を炙り出したことである。こんなことまでして日米両国は日本国民を欺きたいのだろうか。
 このような生易しいい程度ではまだ収まらない。8、9面全面を使って日米間のいやらしい外交交渉がすっぱ抜かれている。やれ「自民 顔を使い分け」だの、「民主 県外案『形だけ』」だの、肝心な沖縄を蚊帳の外において過去の自民党、現在の民主党が毀誉褒貶の言辞を弄して都合の良い体裁だけの日米同盟を構築してきたのである。日米双方に不信感が溜り、これではお互いに腹を割った話し合いによる外交成果など期待出来よう筈がない。そこには国家間の外交なんかまるでなく、村衆の寄り合い感覚がある程度なのである。
 最も悪質なのは、小池百合子・元防衛相の国民への裏切りというより、国民騙しの論理である。彼女はアメリカが容認しようとしない辺野古滑走路を海側へ50mずらす計画を、その計画を切望する仲井真沖縄県知事に対して非公式に認める約束をした。それを知ったアメリカがその事実確認を求めたところ、小池氏は「2009年までには違う政権が出来ているから、我々が仲井真知事にこれまで何を約束したかは問題にならない」と欺瞞的な返答をしたというのである。開いた口が塞がらない。本心からこんなふざけたことを国家を代表する担当大臣が外交で言っていたとは・・・。小池氏の他人を見下し愚弄するような態度は、真剣に住民のためを考えて話し合おうとする知事ら沖縄県民に対してあまりにも失礼であるし、誠実さの欠片は一片も見られず、知事を始め国民を舐めきっている。
 これはひとつの例であるが、小池氏のパフォーマンスを考えてみると、この人は過去にいくら大臣を務めた人物だったとしても、もう人間として誠実に話の出来る人ではないということははっきりしている。過去において度々所属政党を変え、また選挙区も何度か変更して無節操、変節の人という印象が強く、目立ちたがり屋の元テレビキャスターであるが、沖縄県の知事が真剣になって県民の安全、駐留米軍との妥協を探っている点について、どこ吹く風とばかり平気の平左で陰でべろを出しているのだ。
 WEBサイトの英語版‘PROJECT SYNDICATE’に、小池氏は達者な英語を駆使して度々寄稿して国内より海外へ向けて持論を発信している。最近では3月28日付寄稿に東日本大震災被害について小泉八雲作品から津波に対する警告の民話を紹介するなど「お馬鹿さん」政治家とは一線を画するほどの教養も見せている。だが、些か危うい保守思想の持ち主で、このように信念に欠けた筋の通らない人が、衆議院当選6回、環境大臣・防衛大臣を歴任して、今では自民党総務会長の要職に就いているのだから、わが国の政治レベルの低さには慨嘆せざるを得ない。
 こういう不届き千万なお騒がせ政治家が、微妙な日米懸案事項の最前線で交渉に当たっていたとは、国民をあまりにも愚弄しているし、アメリカにも礼を失しているのではないか。小池氏の存在自体がわが国の外交に大きな損失を与えている。直ちに国会議員を辞職すべきだと思う。
 無能な政治家が幅を利かすのも許し難いが、すべてを承知のうえで国民を騙し大きな顔をして、国民の代表みたいに特権を振りかざしている小池百合子のような、3流政治家の化けの皮が剥がれたことで慰めとするしか仕方がないのか。
 このウィキリークスには、まだ暴露されては困るシークレットがかなり埋もれているようだ。コメントしないとか、知らぬ顔の厚顔無恥の政治家や官僚が大分いるらしい。
 朝日にはぜひこれら悪辣な国会議員どもを徹底的に叩いてもらいたい。さもなければ公表した意味がない。

2011年5月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com