1467.2011年5月20日(金) カーティス教授「日本の政治家は国民に甘えている」

 昨日の朝日新聞に依れば、日本通の政治学者であるジェラルド・カーティス米国コロンビア大学教授が、菅首相と自民党の谷垣総裁に会い2人の政治姿勢について直接苦言を呈したという。カーティス教授の言うことがふるっている。「日本は社会がしっかりしているから、政治が貧困なままでいられる。日本の政治家は国民に甘えている」と喝破した。誰が見てもその通りであり、最早政治家なんてとても芯から信頼することが出来ない。
 そこへ西岡武夫・参議院議長が菅首相は即刻辞任すべきだとの書簡を送った。これまでにも菅首相のリーダーシップや政治手法について不満を漏らしていたが、ついに中立であるべき立法の長が行政の長へ太い横槍を入れた。流石に与野党から議長としての発言は慎重であるべきだと批判の声が強い。以前から西岡氏は高い所から発言する割りに自分の立場を忘れがちな行動を取るのが習いである。いい年をして母親に指図され中々独り立ち出来なかった、典型的な世襲政治家で、祭り上げられている内は存在感があるが、議長となって言動に制約が課せられ、利権から遠ざかるにつれてじっとしていられなくなる人である。こんな人が良識の府のトップだというのだから呆れ果てるばかりである。これでは民主主義の根幹である3権分立も何もあったものではない。これもカーティス教授が指摘するように、国民に甘えている典型的な政治家である。
 そのカーティス教授が、今夜の「報道ステーション」にゲストとして出演した。教授は菅首相も谷垣総裁もともに、今後原子力政策をどう構築するのかのグランドデザインを示さなければダメだと持論を述べ、現状は先送りばかりだとも発言された。教授は実際に被災地を歩かれた。被災者にインタビューしながら日本人の礼儀正しさに感嘆していた。現地で魚市場の残骸や、破壊された機械設備など惨状を見て、その日本人のパワーを持ってすれば日本は立ち直れると思うと期待感を語った。被災地で真剣に土地の人にインタビューする行動的な教授に比べて、日本の政治家たちの影が薄いこと夥しい。
 教授は今度の震災は日本を発展させるターニングポイントになると語り、住民に希望を持たせる言葉を与えるのが政府の仕事であるが、まだそれがないと手厳しく語った。スピード感を持って復興を進めないと住民が土地を離れてしまうと嘆いてもおられた。政治家は復旧の過程で住民にビジョンと力を与えられるかどうか、日本の政治も非常事態であると力説していた。まさに日本人以上に日本を知る実践派の政治学者である。
 さて、福島原発の事故収束の見通しが立たない中で、東電の決算報告がなされた。最終決算は実に1兆2千億円の赤字だという。とてつもないほどの巨額である。しかも、今後出費が予定される賠償額を支払っていない中でこれだけの赤字である。大学経済学部に入学した昭和34年度の国家の一般会計予算が1兆4千億円だったから、ほぼそれに匹敵するほどの営業赤字を1民間会社の1年間の営業活動の結果として生ぜしめてしまったということになる。いかに1次的には想定外の自然災害が齎したものであるにせよ、想像を絶するほどの金額である。

2011年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com