1470.2011年5月23日(月) 「日和見」オバマでは中東和平は無理

 昨日オバマ米大統領が中東和平についてひとつの前向きで、且つ衝撃的な提言をした。イスラエルは第3次中東戦争勃発時の国境に戻すべきだ、つまり第3次戦争によって占領した土地を元の所有国へ返還すべきだとの当たり前とも思える要望だった。戦勝国イスラエルの戦利品、即ち占領こそが現在のこじれたイスラエルとパレスチナの対立を齎した根源の最大要因であるからである。これに対してユダヤ人社会から反発があるだろうことは当然予想される。しかし、敢えて火中の栗を拾ったオバマ大統領にとっては大英断であり、可能性は低いが、仮に実現すれば「オバマ」の名は未来永劫に‘One of the greatest US Presidents’として世界史上に残るだろうと期待していた。
 それがどうだろう。走り出した理想のゴール手前でいとも簡単にUターンして、現在地より後退してしまったのである。一日明けたら前言を翻したも同然の言い訳スピーチの中にそれははっきり表れている。昨日演説直後にネタニヤフ・イスラエル首相から猛反発を食らったうえに、穏やかではない親イスラエル・ロビー団体の空気を察知したのか、完全にペースダウンした。
 「日和見」オバマの言い分はどうか。ワシントンで親イスラエル派団体に対して「1967年6月4日に存在したのとは異なる境界線を、イスラエルとパレスチナ自身が交渉するという意味だ」と語った。昨日のスピーチ内容なら最初からイスラエルが受け入れる筈がない。なぜ可能性のまったくない話を観測気球として打ち上げたのか。アメリカ合衆国の大統領たる者にして、まったく軽率でおかしな話だ。
 オバマの言い訳を聞いて、喜んだネタニヤフ首相は和平実現への努力を評価するとコメントした。オバマが前言を翻した発言は、和平実現への努力にはまったく値しない。2大政治家による猿芝居以外の何者でもない。それにしても、たった1日でこうもあからさまに発言の内容を急変させるというのは、何とか膠着状態の現状から逃げ出したいためにジャブを放って状況を探ってみた感覚ではないかと勘ぐらざるを得ない。アメリカ合衆国の大統領としてはお粗末で不謹慎極まる。
 オバマ大統領はこれまで年齢の割りに、行動力、判断力、決断力、哲学、リーダーシップなどに秀でていると評価していたが、がっくりである。日本にも信頼出来る政治家はあまりいないが、世界にも心から尊敬出来るような政治家が少なくなったものである。
 そのわが国の無能な政治家現象を象徴するようなドタバタ劇が、今国会を舞台に演じられている。
 福島第1原発1号機への海水注入が震災翌日に一時中断された問題で、政府、原子力安全委員会、東電の当事者が情報の共有が出来ず、誰の判断で中断されたかが大きな問題となっている。結果的に中断したことによりベントが遅れ、事態を深刻化させた。
 その責任のなすりあいを国政の場で延々と行っているのだから、呆れかえる。この低次元のやりとりを見て、とばっちりを食った原発周辺の避難民の怒りは頂点に達している。
 政治家の無能・無責任と学者バカのプライド、そして殿様商売の東電がそれぞれバラバラに自分たちの都合だけで大事故処理を行おうというのだから、中々前へ進まないわけである。このままで、本当に日本は震災から立ち直れるのだろうか。

2011年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com