福島第1原発では1号機の他に、2、3号機も炉心溶融(メルトダウン)を起こしていたことが東電の発表した報告書で分った。しかも、いずれも大震災後まもなくの3月15日までにメルトダウンしていたことを、ほぼ2ヶ月半も経過して漸く東電は認めたのである。現在国会でもその後の作業に関して情報が伝えられたとか、伝えられなかったとか、見苦しい責任のなすりあいで国民はすっかりしらけ切っている。この様子だと、まだまだ重要な情報が隠されていると考えるのが自然である。
折りも折り国際原子力委員会(IAEA)調査団が来日し、海江田万里・経済産業大臣と会談した際、大臣は知りえた限りの情報を提供して世界の原子力安全へ協力したいと申し出た。原発事故は、日本のみならず、世界中からその安全が確保されるかどうか注目されている。内輪で喧嘩なんかやっている場合ではあるまい。
先日私自身にもメールで呼びかけがあり、凄いことを考える人もいるものだとその活動に関心を持っていたが、その後メディアでも話題となり、昨日の朝日夕刊によればその行動を是として応募した人が実に165人もいるという。その活動とは、復旧作業が難航している福島第1原発建屋内の作業に作業員として協力を申し出た高齢者の行動隊「暴発阻止行動隊」の行動である。趣意書には、60歳以上で現場作業が出来る体力・意思のある人という条件である。代表者の山田恭輝さんという方は元住友金属の技術者で、実際に同じような職場で働いたことがある人のようだが、他に申し出た人たちはこのように危険な実務を経験されたことがあるのだろうか。私はとてもこの行動隊には参加する勇気はないが、申し出を受けた政府でも対応に戸惑いが見られ、実際のところありがた迷惑に感じているような節が見られる。細野豪志・首相補佐官は「非常にありがたい、献身的な行動で、気持ちは受け止めたい」と謝意を述べたが、作業の長期化に伴い作業員の人繰りがつかずに苦慮しているとは言え、作業自体が1人ひとりに大量の放射能が蓄積しないような作業工程を考えているので、元々危険作業に長く携わることを厭わない「決死隊」のような行動パターンを作らない工程の構築を考えているという。ということは、本音は決死隊の気持ちはありがたいが、受け入れはご遠慮致したいということではないか。
昨日東日本大震災の復興財源を確保するため、菅政権と連合系の公務員労働組合連絡会との間で国家公務員給与の削減幅について合意した。課長以上の幹部を10%、課長補佐・係長を8%、係員を5%それぞれ削減し、ボーナスは一律10%減額するという。こんな程度では生ぬるい。給与は全員5~10%削減、ボーナスは全額支給しないことにした方が国民は納得する。大体国民が被災して困窮しているのに、役人が元々民間営利会社の「成果が上がった場合にご褒美として支給される」ボーナスを黙って受け取ること自体理屈上おかしい。国と国策会社・東電はこんな大事故を起こし国と国民に大損害を与えておきながら、主導した役人が図々しくボーナスを受け取るようなことは「想定外」でとても理解し難い。