1486.2011年6月10日(金) 脱原発発言相次ぐ。原発の今後は?

 明日で東日本大震災に襲われてからちょうど3ヶ月になる。地震、津波被災からの復旧の道のりは遅々としている。言うまでもなく東電福島第一発電所事故の影 響である。地震より津波の方が恐ろしいと言われているが、それに輪をかけて恐ろしいのが放射能漏洩である。福島原発事故がいつ収束されるのか、全国民が固 唾を飲んで見守っている。
 そこへ昨日政府の地震調査委員会が、将来起きる地震の規模や確率の予測手法を改めると発表した。専門的なことは分らないが、大震災のM9を予測した警報とそれに応じた対策を立てるということである。
 つい最近読んだ吉村昭著「三陸海岸大津波」(文春文庫)によると、著者は明治29年発生の明治三陸地震、昭和8年発生の昭和三陸地震、更に昭和35年 のチリ地震による津波の記録を検証し、生き残りの人たちにインタビューして津波の怖さを精査、分析しているが、当時の被災地を見てみるとほとんど今度の被 災地と同じである。津波は同じ場所を再び襲うことがこれによってもよく分る。つまり、天災は突然襲ってくるのではなく、ある程度似たような傾向を持って突 然やってくる。予想される天災に備えることは当然学者や行政などの専門家が考えなければならない。今回M9の想定外の地震が起き、原発が壊れたとするなら、今後M9以上の地震の再来を考えて今まで以上の備えをすべきだろう。その点では、科学者よりも作家の方が正確な視点で、正しい予測をしていることが理解できる。
 昨9日スペインのバルセロナでカタルーニャ国際賞を受賞した作家・村上春樹氏が「核に対する『NO』 を叫び続けるべきだった」と自らの反省を込めて述べた。授賞式後のスピーチの一部がテレビ朝日「報道ステーション」で放映され、それに寺島実郎氏がコメン トされた。寺島氏は村上氏が敢えて「核」という言葉を使ったことに深い意味があると分析された。それは平和利用の「核」と軍事用「核」をひとつに捉えてい ることだと言われた。つまり軍事用なんて考えるべきではないと主張していると分析された。
 同じく9日ローマ法王ベネディクト16世は「人間を危険にしないエネルギーをサポートし、環境に優しいライフスタイルを実現することが、政治経済の優先課題だ」と述べ、福島原発事故後の脱原発の動きを意識した発言と受け取られている。まともな世界、まともな人の間では脱原発の動きが進みつつある。
 最近行われた原発県・青森県知事選挙で原発推進派の三村知事が再選されたが、これから日本の原発はどうなるのだろうか。福島原発で散々痛い目に遭っているはずだが・・・。

2011年6月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com