福島原発事故が収束見通しの立たない中で、原発推進派が声を大にすることはないが、昨日から今日にかけて2日間イタリア全土で原発再開の是非を問う国民投 票が行われている。イタリアではチェルノブイリ事故の後国内4ヶ所の原発をすべて閉鎖している。ベルルスコーニ現政権はこれを見直し再開を目指している。
政権にとって福島原発事故はタイミングが悪く、思いがけないマイナス・イメージとなって、電力が不足する中ではあるが、原発再開を訴えにくくなった。イタリア国内でも福島以降「脱原発」の動きが活発になってきた。
結果はどう出るか。原発推進派、反対派ともに注目している。
さて、連日嫌々ながらつき合わされているニュースに、「菅首相退陣」と「退任時期」という非建設的な話題がある。菅首相が退任をほのめかしたことで、一気 に「いつ辞める」の不毛の議論が進行している。そこへ要職にある与党議員が、自分の思惑だけを軽率に語るものだから、益々混乱して何がどうなっているのか まったく道筋が見えない。それでいて退陣を迫る議員には、次の総理の候補者として誰を推すのか腹案がない。メディアでも次期総理の話題がほとんど報道され ない。漸く今日になってNHKニュースで前原誠司・前外相、野田佳彦・財務相、石破茂・自民党政調 会長らの名前が挙がってきたが、彼らとて絶対的な候補者ではない。この次の日本のリーダーは一体誰になるのか。本来「辞任」と「就任」はセットで検討され るべき事項ではないか。日本のリーダーを決める議論をやっているのではなく、今のリーダーは気に入らないから早めに辞めさせて、その後で仲間内でまとめ役 として「無難な奴」に、リーダーを一定期間任せようという「村の寄り合い」と同じ発想なのだ。これだけ日本の政治は地盤沈下を起こし劣化しているのだ。
亀井静香・国民新党代表がうまいことを言っていた。曰く「殿が切腹しようとしているのに、周りの家来どもが介錯は俺が、俺がといきり立っている」。
呆れたテレビ朝日の古館キャスターも番組の中で永田町にも瓦礫の撤去が必要だと番組の中でしゃべっていたが、図星である。