1491.2011年6月15日(水) また厄介なオスプレイ配備問題が持ち上がっている。

 東日本大震災の復旧と福島原発の収束がまったく見通しが立たず、そこへ菅首相の退陣発言に対する民主党内部の、或いは与野党間の中傷合戦が嵩じて今国会の会期延長の賛否に関して、それぞれ非難の応酬である。まるで子どもの喧嘩である。まったく程度が低い。
 10日被災地で酪農家の男性が遺書を残して自殺したが、原発に対する恨みつらみが書かれていた。親族も被災者の悲惨な状況下で国会内で内輪揉めばかりして被災者のことを少しも考えていないと手厳しく非難していた。まったく遺族の言う通りである。
 その政権与党・民主党が地盤沈下していく中で、また新たな問題が急浮上した。以前から日米間の協議事項になっていた沖縄・普天間基地に新輸送機を配備する問題である。配備されるのは、ヘリコプターと輸送機を兼ね備えた新型垂直離着陸輸送機「MV22オスプレイ」と呼ばれる機種である。開発段階で度々事故を起こして、その安全性が懸念されていた。加えてオスプレイの騒音問題がある。
  しかし、配備以前に普天間基地の移設問題がまだ解決していない。昨年5月には、普天間基地を海外、或いは最低でも国内の県外へ移設すると無責任にも約束し た鳩山由起夫・前首相が、ついにさじを投げ沖縄県民に謝罪して総理職を辞したばかりである。その後も普天間基地移設問題をウヤムヤにしていた民主党政権 は、大震災の影響下に遂にアメリカ側の公式発表により行き詰まり、今日沖縄県内で反対デモが気勢を上げる中で中途半端な結論を出さざるを得なくなった。
 何とも節操のない好い加減な説明かと驚くばかりである。北澤防衛大臣の説明とは、オスプレイは現在使用中のCH46中型輸送ヘリに比べると、10万時間飛行当たりの事故率は1.28回で、CH46の1.37回 に比べると低く、騒音も少ないとアメリカからの情報を精査することなく鵜呑みにして応えているだけである。こんな誠意も中身もない回答では、基地自体の存 在に反対している沖縄県民が納得するわけがない。これはオスプレイ配備問題だけに留まらず、米軍沖縄基地使用問題であり、普天間基地移設問題であり、日米 地位協定の問題でもあり、その後ろにあるのは日米同盟の問題である。今の民主党では、とても荷が重くて解決は難しいが、それにしても政治家はもう少し自分 たちの責任を感じて、真面目に仕事をやってほしいものである。

2011年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com