1493.2011年6月17日(木) IMFが日本に消費税増税をアドバイス

 久しぶりに自然と野生動物、そしてC.W.ニコルさんが島の人たちに温かい目で接する姿を追ったテレビ番組を観た。今夜放映されたNHK「小笠原諸島・いのちの森と海」で、近いうちに世界遺産に登録されるのではないかと期待を抱かせる小笠原の今日の姿を紹介した秀逸な番組だった。
 小笠原諸島は東京都下とは言え、都心から離れすぎていて歴史的にも昭和43年 6月にアメリカから返還されるまでは国籍不明の島で、今でも他の島とは環境と島内のムードが大分違う。ペリー提督が浦賀に停泊する前に立ち寄って、それ以 前に各国から移住した各民族間で長い間交流を続けていたようだ。慌てた幕府が咸臨丸を派遣して日本領土であることを内外にアピールしたという。それでも、 民族間の争いはまったくなく、島民は自分たちを「小笠原人」と呼んでいる。
 ニコルさんの観察力と感想がとても良かった。
 さて、今夕の新聞を見ておやおやと思った。大震災への財源も考え合わせ、検討されている消費税値上げについて思うように与野党の合意が得られず、もたもたしている間に何とIMFが日本は財政再建に向けて消費税を上げるべきだとのお節介な報告書を発表した。
 少々恥ずかしい思いである。IMFのアドバイスをみると、日本の公的債務がGDP比で200%を超える高い水準にあるという点と、日本の消費税率が国際的に低水準である点を指摘している。そのうえで、消費増税は2012年度から実施して、17年度までに現在の5%から15%に引き上げるべきではないかとご親切なご託宣である。
 財政再建も歴代内閣がお題目のように唱えるが一向に実現出来ず、税収はどんどん落ちているのに反して歳出は増加する。絶対的にお金が足りないのが分っていながら、まったく手を打とうとしない。そして借金は益々増え、窮屈な生活を強いられる。確かに15%の消費税なんて今の5%から考えれば厳しすぎる増税との感触がある。しかし、最初に増税の話が持ち上がってからその時点で真剣に議論もせず、毎度先送りにするから今どっと負担がかかってきたような印象になるのだ。
 毎日見せ付けられる福島原発の進まない作業進捗状況と、内輪揉めばかりで一向に政治を前へ進めようとしない政治家どもの怠惰な姿にはもう飽き飽きである。

2011年6月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com