今朝の日経紙「SUNDAY NIKKEI」に紙面の2/3を割いて「海外旅行保険」に関する記事が載っている。独法・国民生活センター発行「月刊国民生活」4月 号に「パックツアー参加の心構えと海外旅行保険」を寄稿しているので、僭越だがタイミングからいって多少内容をパクられているのではないかとチェックして みた。この勝手な思い込みは杞憂に終ったが、そう思ったのは、経済部の記者が書く旅行関係の原稿だから、どうしても実践的な分析や現場論は見られないので はないかと邪推したからである。でもやはり借り物的な書き方になっている。実際保険種類を見比べて単純に比較した内容ばかりなので、やはり私には物足りな い。もう少し実践論を書かないと旅行に関連する内容だけに読者には説得力がないように思う。
それにしてもどうして最近の旅行関係の記事というのは、価格の比較、低価格商品の推奨ばかりなのか。旅行の本質を捉えた、旅行に関心のある人を納得させる 内容になっていない。例えば、インターネット経由の安い保険ばかり薦めている。商品販売も対面販売の店頭販売よりネット販売の利点を強調している。これで は低価格商品企画会社の思う壺で、健全で内容が充実した旅行商品の造成なぞできるわけがない。もちろん商品にもよるが、安かろう悪かろう路線に落ち込んで しまっている。今日の紙面で納得できたのは、クレジットカード付帯保険に関して注意を要するとの囲い込み記事の掲載だけである。
この記事を含めて、旅行業界もいまのまま低価格商品ばかり追及していたのでは、いずれ壁にぶち当たるだろう。もうそろそろ目覚めて旅行の本質を見直したうえで、旅行内容に見合ったリーズナブルな価格設定の商品企画と、ネット商品販売戦略を再検証すべきではないかと思う。
さて、今日菅首相が停止中の原発は安全確認検査が終了したらできるだけ早く再稼動させたいと公式に語った。昨日の海江田経産相の言葉を後押しする発言であ る。大物大臣二人が揃って寝言を言っている。言い訳として今後の日本のエネルギー政策を検討したいとも述べたが、話の順序とやるべきことの順序が違うので はないかと首を傾げたくなる。浜岡原発を停止させたのは、特例だとも述べた。分らないことはないが、いま成すべきは、一刻も早く全原発を停めることであ る。うじゃうじゃ屁理屈を言う人が多くいるが、絶対安全とは言えない危険な科学施設が、一旦事故が起きると簡単には停止できず甚大な費用がかかるという当 たり前の理由からいま止めなければ、いずれ将来に禍根を残すことになるだろう。