1518.2011年7月12日(火) 世界同時不況の中で、中国だけがひとり勝ち

 中国を除いてどこの国の経済もあまりぱっとしないが、その中でもギリシャはデフォルト寸前と見られ、スペインやイタリアもその不景気集団に巻き込まれそう な勢いである。スペインのサパテロ首相の如きは、自国の景気が悪いのはギリシャのせいだと八つ当たりに近いぼやきようである。
 この非常時にEU各国も地盤沈下のままいずこもぱっとしない。アメリカも長期金利の急激な低下でドル安傾向である。こんな欧米の不景気の中で本来なら大震災の影響で円が買われるはずがないのに、逆に日本円が買われ1ヶ月ぶりに1$=80円を割って79円台にまで上がった。この影響で日経平均株価も1万円を割り9925円となった。対前日では143円安である。いつまで日米欧の不景気状態が続くのだろうか。
 それにしても世界同時不況の中で中国だけがひとり勝ちである。中国の6月末外貨準備高は前年同期比で30.3%増の約256兆円(3.1975兆$)というから凄い。5年前に日本(6月末で1.14兆$)を抜いて今では世界最大というのだから、30年 前の中国の貧困ぶりを知る身からすると驚き以外の何物でもない。中国の景気自体は確かに良いのだが、中国経済にはその他に人民元を実勢より低く保つための 元売り・ドル買い介入で外貨が膨らんだ側面もある。以前からアメリカから元切り上げを求められるたびに、中国独自の論理を振りかざし、のらりくらりと言い 逃れ今日に至っている。しかし、これほど他国との間に外貨の価値に差が生まれると、果たしていつまで中国流言い逃れが通用するのだろうか。
 それにしてもわが道を行く中国は、他の国々と歩調を合せて歩んでいく気があるのだろうか。どうも世界とのバランスより、自国だけ繁栄すれば良いとの成り上がり者の独尊的なテーゼが目に浮かんできてしようがない。

2011年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com