このところ円高がじわじわと進んでいる。ついに今日は77円 台まで進んだ。これで東北大震災の復興も益々苦しくなる。円高の原因は日本側に原因があるわけではなく、主にアメリカのドル安によって引き起こされてい る。ドル安を導いた最大の原因は近年苦しくなったアメリカ財政のせいである。現在アメリカ連邦政府が発行している長期国債に債務不履行の恐れが生じ、それ を回避するために来月2日に期限切れを迎える債務上限を引き上げることを、オバマ政権と民主党が提案している。
しかし、民主党と共和党との間で話がまとまらず、オバマ大統領も苦闘している。もう時間がない。もし来月2日ま でに民主・共和党との間で妥協が成立しなければ、債務不履行(デフォルト)の可能性が生まれ、アメリカ国債の格下げも現実として考えられる。そうなると、 ドル不安による世界経済への影響が大きくなり、世界経済同時不況の恐れも出てくる。ここ一両日の間オバマ大統領がどんな手を打ち、行き詰った現状に少しで も光を当てることが出来るだろうか。気になるところである。
どうも中国の高速鉄道事故後の対応と処理に関して、中国鉄道省はまたまた常識では考えられない行動を起こした。 何をやったのか? とんでもないことをやったのである。昨日呆れた処理について本稿でも指摘したように、事故車両は検証することもなく壊され埋められた。 つまり証拠品を国民やテレビ監視の中で隠蔽処分したのである。ところが、今日になって昨日埋めた証拠品を再び掘り出し、指定の場所へ運んだ。あまりにも昨 日の対応に怒った遺族を始めとして、ネット上で批判した国民に抗し切れなくなった鉄道省が、調査と称して折れたような印象である。
それにしても追突した先頭車両を破壊して埋めて、掘り出したところで原形は変わってしまっていて本当に証拠品として役立つのだろうか。一番肝心な証拠品を慌てて壊してしまったところから憶測すると、どうも自動制御システム(ATS)が本当に運転席のある先頭車両に設置されていたのかどうかすら怪しくなってくる。そうでなければ、これだけの大事故発生に際して、慌てて証拠品を隠すような馬鹿な行動に出るはずがないと思う。
とにかく中国鉄道省には事故発生の原因を徹底的に究明してもらいたいものである。