1537.2011年7月31日(日) やらせメールの原因は公が造り上げた組織にある。

 明日から8月に入るというのに、今日の肌寒さは格別である。今は真夏なのでこれも一時的な気象ではあるが、東京都内の最高気温は25.4℃だったからまるで秋の気候である。これは朝鮮半島からやってきた前線の影響によって大雨を降らせたからであるが、韓国でも大きな被害が出ている。日本では一昨日来新潟と福島を集中的に豪雨が押し寄せ、30万人以上の人々が避難した。農作物は平成17年に襲った新潟・福島豪雨を上回る被害を出しそうである。福島県民にとっては踏んだり蹴ったりであろう。

 あれもこれもその遠因を探ると地球温暖化に行き着くことになるようだが、その点を強調し過ぎると原発推進派が力を得ることにもなる。
 流石に福島第一原発の放射線漏れ事故以来原発推進派の影は薄い。だが、推進派も今までは表立っていた活動を裏へ回って姑息にやっているようだ。

 一昨日公になった原子力安全・保安院のやらせの圧力に対して、菅首相を始め各方面から批判が相次いでいる。そこへまた同じようなやらせを誘発するような 古川康・佐賀県知事の言動が暴露された。九州電力玄海原発の運転再開のためのシンポジウムを前に、知事が九電役員に「電力の安定供給の面から再開を容認す る意見を出すことも必要」とやらせメールを引き起こすような発言をした。知事はやらせメールへの影響を否定しているが、この発言がやらせメールを誘発した のではないかと九電の第三者委員会が見解を発表した。

 原発推進の国策の下で、権力者はもう善悪の区別がつかなくなってしまっているのだ。佐賀県知事だって元々官僚だったから、本心は原発推進なのだ。今や原発推進なら何でもOK、反対ならすべてNOというソフトウェアが出来上がってしまっている。この牙城を切り崩すのは中々骨の折れることだと思う。それでもわずかな世論に耳と傾けてみる限りでは、脱原発、減原発、自然エネルギー転換、の声が少しは聞こえてくるようになった。
  現在国会へ提案中の再生エネルギー法案の内容がメディアでも解説され議論されているが、自然エネルギーを採用した業者から電力会社が一定期間定額で電力を 買い取る内容については、業者は価格的に赤字になるようではやらないと言うし、上げれば電力料金に上乗せされ消費者へ電力料金値上げとなって皺寄せされ る。これらの議論を聞いていると、第一義的には何が最も大切かという根本的なポイントを話し合わないで、枝葉末節な話し合いに終始しているケースが多い。 毎度のことながら、結局これも国が政策と方向性を早く、しっかり打ち出さないからではないか。

2011年7月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com