1538.2011年8月1日(月) アメリカ、債務引き上げに合意

 明日2日に期限切れを迎えるアメリカ連邦政府の債務上限について、すったもんだの末漸く民主党・共和党両党間で上限引き上げが合意された。これでドル安円 高相場も一息つくことになる「筈」である。だが、アメリカの財政に関して根本的な問題が解決されたわけではない。これで米国債の債務不履行は回避されそう だが、依然としてその格下げの可能性は残っている。
 これからドルと円の動きがどうなるのかは予断を許さない。「選択」8月号によれば、アメリカの景気回復は当分望むべくもないようだ。最大の原因は雇用が確保されないことで、公表されたアメリカの失業率は9.2%、14百万人で、これに潜在失業者を含めると実質失業率は16.2%、24百万人となる。このための失業保険給付が連邦政府にとって大きな財政負担となる。もうひとつ大きな原因は住宅価格の下落だそうである。これにはヘッジファンドのチャンピョン、ジョージ・ソロス氏も一時為替相場から手を引いて現金を引き上げるらしい。
 恐いのは最近の調査で、アメリカ人の39%がアメリカ経済は永久的な衰退に入ったと感じていることであり、半数の人が1年内に重大な不況が始まると信じていることである。
 しかし、このアメリカの債務上限引き上げにより、取りあえず円は78円台に下がった。今日ホンダが第1四半期決算報告を行ったが、「1ドル=80円を想定していたので、約225億円の為替損失を蒙った。早く想定相場に戻ってほしい」とホンダ役員が苦しい胸の内を語っていた。これに対して菅政権の金庫番である野田佳彦・財務大臣からは当たり障りのないコメントしか述べられなかった。やっぱりなぁ。
 この胃が痛むような株式不況と経済停滞はいつまで続くのだろうか。

2011年8月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com