1544.2011年8月7日(日) 腹が立つ人事院の「官尊民卑」「役人天国」

 今日の日経朝刊第一面の掲載記事、国家公務員の定年延長に伴う新人事制度に関する人事院の素案を見て唖然とした。相も変わらずわが国には「官尊民卑」が 堂々罷り通っているのだ。素案作りの人事院自体が役所で仲間には甘いし、自分たちの首を絞めることはやりたくないのではないかと疑いたくなる。やはりこう いう素案作りは官とは無関係な組織に任せるべきだと思う。あまりにもすべてが官贔屓、官ペースで進められる傾向がある。
 記事の内容は公的年金の支給開始年齢の引き上げに合せて、現在60歳の国家公務員の定年を段階的に引き上げ、その間の給与を「50歳代後半層職員の7割水準に設定する」そうだ。馬鹿なことをするなと言いたい。こんな官僚優遇制度があるだろうか。しかも、この素案作成は民間企業の事例を踏まえて設定したという、まったくデタラメな言い分である。冗談にもほどがある。一般的に60歳の定年を迎え、雇用延長の適用を受けてそのまま同じ企業に働く民間企業従業員で、現役時代(定年直前時の高給与)の7割の給与をいただける恵まれた会社が現在どれだけあると言うのか。
  3年前韓国・束草市で開催の国際シンポジウムにパネリストとして招かれ、「定年退職者の日本の現状とこれからの高齢者の生き方」というテーマで講演をした 時、ゼミの友人が勤めるD優良会社を、定年退職後に現役時代の6割の給与をもらえる日本企業の恵まれた具体的な事例として、韓国人と中国人の参加者に説明 した際、羨ましさを伴ったどよめきが起きたほどである。私自身実際これほど待遇の良い企業があるのかと出発前に感じたくらいD社の好条件を羨ましいと思っ た。ほかの一流企業で好景気の恩恵に浴している会社でも、定年後の再雇用で年金受給年齢に達するまでの5年間に現役時代の6割もの給与をもらえる企業がそ んなにあるだろうか。
  今度の素案に盛られている条件は、いとも容易く希望者に7割もの給料を提供しようというものである。国家財政が厳しくなっている折柄、民間企業を定年で辞 め、第二の職を懸命に探している多くの失業者を尻目に、ただ平凡に定年まで勤めただけの国家の下僕にこんな大盤振る舞いをする必要がどこにあるのか。まっ たく筋が通らない。
 民主党は苦しい財政の中で無理なマニフェストを約束して新たな支出を大幅に増やしてきた。いま子ども手当てが資 金的にも動きが取れなくなり、引っ込めざるを得なくなった。その財源も節約とか、議員定数削減とか、公務員制度改革とか、うまいことばかり言っていたが、 その実すべて実行出来なかった。そんな中で公務員に支払う7割の給与をどの財源から支出するのか。人事院素案の裏には、怪しげな取り決めもあるようだ。公 務員天下りの斡旋、定年延長、60歳超の週15時間30分~30時 間短時間勤務制度(これなんか働く意思がない官僚のための制度ではないか)導入、連合の反対等々、国民を騙しぬいて自分たちだけが甘い汁を吸おうとの腹が ミエミエである。国民を愚弄して、苦しむ国民を他所にうまいことやろうとする腹黒さと盗人根性は徹底的にやっつけなければいけない。
 働きもしねぇで、国民の血税でぬくぬくと世間を渡る悪漢・役人には国民全員でレッドカードをぶつけてやろうではないか。
 それにしてもこんなに重要な税金ドロボー的行為を、1新聞の報道だけで済ませるようなことはしてもらいたくない。本素案は9月下旬には国会に提出されるそうである。

2011年8月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com