昨日からお盆休みで帰省する人たちで交通機関、高速道路はかなり混雑している。東北大震災のせいで今年のお盆は 格別なものがある。とりわけ話題を提供したのは、陸前高田市の薪を「京都五山送り火」に使用しないと決定したことである。当初壊滅的な被害を受けた陸前高 田市の犠牲者を供養する言葉を地元の薪に託して、五山送り火で焼いてもらう計画だったが、含まれてもいない放射線騒ぎで中止になり、それが批判を受けて復 活して改めて実施する予定にして準備していたところ、今度は本当に放射性セシウムが検出され、結局中止となった。誰がいけないということではないが、最初 に放射線が検出されなかったのに中止を決定した主催者の、被災者に対する配慮のなさにあったのではないだろうかと考えている。
今世界的な不況による全面株安で各国とも金融不安に覆われているが、日本もご他聞に漏れず株安傾向と、それ以上に国の多額の累積借金にいずれ行き詰まるの ではないかと懸念されているところである。日本より長期国債格付けも下位で恒常的な赤字国家となっているイタリアでは、12日 緊急的な財政再建策を決定した。ラテン気質丸出しで、脱税が多く税の捕捉率の向上が課題となっているイタリアでさえ今度こそは、財政改革に本腰を入れるよ うだ。それに比べて比較的真面目人間の多いとされるわが国では一向に改善策が打ち出されないが、政局にばかりかまけていないで、ここはひとつイタリアを見 習って</B>真剣に財政改革に取り組んでみたらどうだ。
イタリアの歳出削減策は、まず中央と地方で公務員の定員を合せて5万人も減らし人件費を圧縮する。わが国でも、まず「櫂より始めよ」を実践し、高給をも らっている役人が身を削ることから範を示すべきではないか。昨日の本ブログに取り上げたように、定年退職後雇用延長の役人に毎年7割もの給与を支払ってい る場合ではないのだ。さらにイタリアは自治体の統合を促して業務効率をたかめる。同時に、歳入増対策としては、富裕層に新たに5~10%の連帯税を課すそうだ。これだって日本なら鳩山由起夫氏のような金持ち連中から非難轟々であろう。このほかにも祝日を減らして就労日数を増やして生産性を高め、税収の増加を図るという。これによって、2012~3年の2年間で何と財政赤字を「約5兆円」も減らす計画だというから相当な決意なのだろう。
とかく遊び人と見られがちのイタリア人がこれだけの覚悟を示すのは、厳しい自国の財政事情がいずれ国を崩壊させかねないと危機感を感じたからだと思う。反 対もあるだろうが、それを押し切って計画を成し遂げてほしいものである。それに引き比べ日本の政治家、官僚にはこの国が今何をなすべきか、何の発言もせ ず、何の行動も起こそうとしていない。政治家と官僚がこの国をダメにしていることは間違いない。