1553.2011年8月16日(火) 次期総理は野党との大連立を本当にやるつもりか。

   どんぐりの背くらべと言っては失礼かも知れないが、菅直人首相の退任後誰が新総理になるのか、これと言った大物が見当たらない。これまではいくら不似合 い、不適任と思われようとも誰が後継総理になりそうだということはある程度見当がついたものだ。今月一杯で辞めると取り沙汰されている菅首相の後釜が、予 想もつかないファジーな事態になっている。ひょっとするとわれわれにも次期総理のお鉢が回ってくるのではないかと思えるぐらい、後継総理選出は霧の中にあ る。
  さて、その予測できない総理争いの中で、今のところリードしていると見られる野田佳彦・財務大臣が無難さを買われて最も可能性の高い位置を占めている。自 民党からもアクのないところが評価されているらしい。この評価は消去法に基づくものである。考えてみればおかしな話である。この「アクのない優位性」と は、仕事面を考慮されておらず、ただ与しやすいと見られているだけで総理としての実務能力を買われているわけではない。このアクのない野田財務相は、早速 自民党ほか他党との「大連立」をぶち上げた。その理由はこれまでの経緯から推して、野党との合意形成なくしては政権運営がままならないことを秘かに察知し たからだ。その証拠には早くも民主党マニフェスト見直しの用意があることを匂わせている。これに今回民主党代表選には出馬しない岡田幹事長や前原前外相ら が同調する気配である。
  今回出馬を予想される候補者の中でも、馬淵前国交相は正面からは反対だが、よく言質を探ってみると大連立も已む無しと受け取れる微妙な発言をしている。鹿 野農水相の如きは、今自分が発言するタイミングではないと逃げている。それぞれ自説を開陳して堂々議論を戦わせようとの気持ちがまるで見られない。みんな 日和見で相手の出方ばかり窺っているようで、「タマ」が小粒なのだ。これでは誰が後継総理になろうとも他党とのネゴ、自党のマニフェスト修正で、昨年国民 に政権交代を訴えた意味が薄まるばかりである。敢えて言えば、国民に対する裏切りに当たるのではないだろうか。
 案の定政権交代時に連立を組んだ社民党・福島瑞穂党首から、厳しい意見がぶつけられている。約束は守らず、妥協を重ね、国民を騙し、政治は一向に先へ進まない。こんなつもりで国民は民主党に政権を委ねたのではない筈であるが、このていたらくである。
 今日は以前から楽しみにしていたアニメ映画「コクリコ坂から」を、妻と日比谷のスカラ座へ観賞に出かけた。丁度1週間前NHKで この映画を制作したスタジオジブリの宮崎駿、吾朗父子の映画作りに関わる父子の葛藤や、丁々発止のやり取りをドキュメンタリーで紹介して興味があった。製 作途中で見た広告の中にコクリコ坂がどこの土地をイメージしているのか分らなかったが、子どものころの房州の風景を彷彿させるような場面があったので、楽 しみにしていた。実際には横浜・山手地区のようだった。
  日本のアニメ技術が優れている点は世界中が認めているが、確かに繊細な筆遣いや絵柄はあまり外国では例を見ないものだと思う。近年益々アニメ技術は高度化 して、よくぞここまで描けると思うことがある。それでも今日の映画もはっきり言えばストーリーはやや陳腐な感じがしたが、アニメは実によく描けていたと思 う。最後のテロップに後から後から数百人もの個人名が掲載されたが、これもアニメを描いた人たちを紹介したのではないかと思う。こんな大勢の固有名詞を挙 げた映画は初めてだった。久しぶりにゆっくり映画を鑑賞することができた。

2011年8月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com