お隣の韓国で総選挙が行われ、ほぼ投票結果が判明した。朴槿恵大統領の与党セヌリ党の敗北が決定した。革新系の「共に民主党」という奇妙な党名の野党が第1党となった。セヌリ党は戦前何とか選挙戦を優位に進めていたが、投票日直前になって総選挙の公認を巡る内紛で支持者の支持を失い失速した。これにより朴大統領の求心力も低下すると見られている。
韓国・中央日報紙は「任期の折り返し地点を過ぎても経済の低成長、低出産、不平等など国家的な課題の本質に手を付けられず、構造改革にも何の成果も出せない朴政権の無能と失政に対する厳しい審判だ」と手厳しいコメントを発表している。韓国は国内経済が輸出の減少により大きく低迷し、政府は経済再建と格差是正を打ち出して直面している経済的不安を切り抜けようとしていた。外交面では3つの点を訴えていた。1つは、北朝鮮への強硬な対応で、2つ目は中国が反発しているミサイル迎撃システムの在韓米軍配備であり、3つ目は、従軍慰安婦問題を巡る日韓合意の履行問題である。だが、総選挙の結果は虚しいものとなった。
このうち3つ目の慰安婦問題が、与党の敗北によってスムーズに行かなくなることが懸念されている。長年日韓外交上の対立点となっていた慰安婦問題が、昨年12月漸く一応の合意を見た。しかし、韓国内では相変わらず反対が強く、合意事項が履行されるかどうかが懸念されている。朴大統領は、すでに合意した交渉を元へ戻す気持ちはない。韓国大統領府もそのように述べている。ただこのまま朴政権が力を失っていくとするなら、必ずしも楽観できない。
朴大統領の任期はあと1年10ヶ月しかない。再選が認められていないだけに、まだ判明していない当選者次第で更に求心力を失う心配がある。朴大統領の後釜を狙っているとされる潘基文・国連事務総長も本職は上の空で様子を覗うようになるのではないだろうか。
日本の国会も今TPPの承認でもめているところだが、お隣ではそれ以上に深刻な政界の流れとなっている。
ところが、今夜9時半近くなって突然我が家にも震度3の揺れがあったと思っていたとこ ろ、九州地方に緊急地震警報が発令され、その途端熊本市を中心に震度7の揺れがテレビ画像で映し出された。相当な被害が出そうな感じである。中越地震と東日本大震災と同じレベルの激しい揺れだそうである。韓国の思いがけない総選挙の結果に「なまず」がびっくりして、一衣帯水を隔てた九州地方に影響を与えたと言っては冗談が過ぎるか?